
「堅い時間を過ごせているという評価を目指しています」
アルバルク東京は『東アジアスーパーリーグ(EASL)』のファイナルズにシードで進みながらも、準決勝で桃園パウイアン・パイロッツに、3位決定戦で琉球ゴールデンキングスにそれぞれ敗れ、4位で大会を終えた。
外国籍のロスター入りが2人までに制限されたEASLにおいて、大黒柱であり帰化選手のライアン・ロシターを欠いたことはA東京にとって大きな痛手だった。それでも、日本人ビッグマンにBリーグ以上の活躍が求められるこの状況は、平岩玄にとって自分の価値を証明できる良い機会だった。
桃園戦の平岩は12分35秒のプレータイムで5得点4リバウンド(ともにシーズンハイ)を記録。接戦の場面で送り出されたが「後半からローテーションに入ると言われていたので準備はできていたんですけど、リードが広がってしまったのは反省点です」と、自身の数字には目を向けなかった。それよりも『遂行力』と『ソリッド』を大事にしている中で、目的を達成できなかったことを悔やんだ。
「この試合で僕が後半から出る意義というのは、オフェンスリバウンドを取られないようにすることなどで、それを『ソリッドにする』と表現しています。コーチたちが相手を倒せるプランを長い時間をかけて作ってくれて、僕らはそれを遂行する。それができないと、今回のような展開になります。玄が出ている時はチームルールをしっかり守ってプレーできている、堅い時間を過ごせているという評価を目指しています」
A東京は4点をリードして試合を折り返したが、前半に決まっていた長距離砲に当たりが来ず、高さを強調されたことで後半に22-52と圧倒された。また、テーブス海は桃園のガード陣の激しいプレッシャーディフェンスを受け、ボールを運ぶのに苦労しエントリーに入るのも遅れていた。
平岩は「何かエクストラで(インテンシティを)上げてきたとかではなく、自分たちのエントリーを潰すための戦術として、多分あれがスタンダード」と、その場面を振り返ったが、テーブスを助けられなかったことについては「もう1回団結して、見直していかないといけない」と真摯に受け止めた。
「誰がとかじゃなくチームとして、海が困っているなら助けなきゃいけないです。プレッシャーリリースも用意はしているんですけど、何が原因かは分からないですが、点差が開いてきて『自分が、自分が』となってしまったというか。遂行力が足りなかったですし、周りを助けることができなくなるのは今のチームの脆さでもあります」
Bリーグの選手たちは『遂行力』という言葉をよく使う。A東京の場合は特に広義で、ルールを守ることはもちろん、難しい目標の達成度や努力のアクションも遂行力の一部だという。だからこそ、テーブスを助けられなかったことに加え、高さで下回っている状況でもインサイドで対等に戦えなかったことは遂行力が足りないということなのだ。
A東京は組織立ったプレーをする印象が強い。だからこそ、選手たちはチームルールをよく理解し、それをコートで体現する必要がある。ただ、ルールを守ることに集中しすぎると、より良いと思われる判断がしづらくなる。特にプレータイムが短い選手ほどそれは顕著だ。平岩は言う。
「短い時間で悪いプレーをしたらその印象だけが残ってしまうじゃないですか。頑張ろうと思ってもそれが仇となってしまうこともありますし、『もっとできるよね?』って言われることもあります。僕はそれを保守的にやっているので、そこのバランスは大事だと思っています」