ジェイレン・ブラウン

「一つひとつの試合を大切に戦いチームを仕上げたい」

リーグ最長だったサンダーの連勝を12で止めたのは、『完全体』のセルティックスだった。厳密に言えば、ニコラ・ブーチェビッチをケガで欠いてはいるが、他のメンバーは揃っている。何よりジェイソン・テイタムがアキレス腱断裂を乗り越えて復帰している。

手術とリハビリに約1年を費やしたテイタムは、かつてのプレーを取り戻したわけではない。復帰からまだ3週間足らず、これが9試合目のプレーで、コンタクトを避けたりする素振りこそないものの、フィールドゴールの半分以上が3ポイントシュートで、今までよりもペイントアタックの比率は下がっている。

もっとも、これはチームにとっては自然な起用法だ。今シーズンは、これまでセカンドオプションを受け入れてきたジェイレン・ブラウンがファーストオプションになった。その過程で苦戦する時期もあったが、ブラウンがシーズンを通してオフェンスを牽引しており、テイタムは一歩引いた位置で本来のプレーを取り戻そうとしている。

テイタムは言う。「長いブランクの後だから、ちょっと感覚が違うのは仕方ない。でも、何も考えずに身体が反応して、スクリーンに反応したりクローズアウトしたり、リバウンドからトランジションに転じた直後に『今の感触は良かったぞ』と思えるのがうれしいんだ。これは練習では味わえない。試合を重ねるごとに、そういう感覚が増えているよ」

この試合のテイタムは3ポイントシュート3本成功を含む19得点。本来の彼より控え目な数字ではあるが、リバウンドではゲームハイの12を記録し、7アシスト3スティール1ブロックでもチームに貢献した。

そしてブラウンは31得点8リバウンド8アシストを記録。チームのファーストオプションとしての責任を背負う今、強敵サンダーに勝ったことを何よりも喜んだ。

「プレーオフのように強度の高い試合で、観客の盛り上がりもすごかった。ウルブズに敗れた後だっただけに、ホームで絶対に勝ちたかった。自分たちの実力に自信はあるけど、リーグ最高勝率のサンダーに勝つことでさらに自信を持てる。プレーオフまであと10試合、一つひとつの試合を大切に戦いチームを仕上げたい。そういう意味でも、今日は良い一歩となった。チームのみんなを誇りに思うよ」

この試合でサンダーのエース、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーが12本のフリースローを得たのに対し、ブラウンはそれを上回る14本を獲得した。両チームが強度の高いディフェンスをする中、いかにファウルを引き出すかは試合の流れを引き寄せる重要な要素となる。

ブラウンは終盤にシェイからファウルを誘った時に、会心の笑みを浮かべた。「前回対戦した時に彼のポンプフェイクに引っかかっていた。そのお返しさ」と、ブラウンはうれしそうに語る。

セルティックスが9点リードで迎えた残り2分、デリック・ホワイトがシェイの技巧に引っかかってフリースローを献上した時には、頭を抱えて悔しがった。ただ、それ以上のフリースローを与えることはなく、第4クォーターを通してリードを守り抜き、119-109で勝利した。

サラリーキャップの厳しい制約により、2年前のチームからドリュー・ホリデーやクリスタプス・ポルジンギス、アル・ホーフォードといったベテラン勢が抜けたが、ホワイトやペイトン・プリチャードがより大きな役割を担い、若い選手たちが2年前より多くのエナジーをもたらすことで、セルティックスは再び強豪の地位を取り戻しつつある。そして、ブラウンとテイタムという2枚看板は変わらない。テイタムがかつてのプレーを取り戻し、なおかつブラウンと交互にファーストオプションを務められる多彩さが機能すれば、セルティックスはプレーオフで大きな何かを成し遂げることができそうだ。