インサイドを強調した琉球が主導権を握るも……

『東アジアスーパーリーグ(EASL)』のチャンピオンを決める『EASLファイナルズ マカオ2026』が3月18日からマカオ特別行政区で開幕。20日に開催されたセミファイナル、宇都宮ブレックスvs琉球ゴールデンキングスの『Bリーグ対決』は死闘となった。

宇都宮の先発はファーストラウンドと同じ、比江島慎、高島紳司、D.J・ニュービル、ギャビン・エドワーズ、グラント・ジェレットの5人。対する琉球はヴィック・ロー、松脇圭志、脇真大、ジャック・クーリー、アレックス・カークが先発を務めた。第1クォーター立ち上がりから両者ともに強みを生かしたオフェンスを展開。それでも、より得意な形に持ち込んだのが琉球で、カークとクーリーの強力インサイド陣が連続得点を重ねると、終了間際には荒川颯が3ポイントシュートファウルを誘発し27-20とリードした。

第2クォーターも琉球のペースだったが、宇都宮の遠藤祐亮が流れを変える。シュートミスが続き2桁のビハインドを背負ったものの、遠藤が連続で長距離砲を射抜き一気に5点差まで迫る。ここまで琉球のハンドラーに自由なプレーを許していたが、高島がタイトに付くことで起点を潰し、スティールからジェレットの得点に繋げるプレーも生まれる。ファーストラウンドでの活躍が印象に残るジェレットがダブルチームを受けるも、比江島の積極的なアタックによって的を絞らせない。小川敦也のスティールからの得点で同点に追いつくと、高島のオフェンスリバウンドからジェレットの3ポイントシュートに繋げ、50-45と逆転して前半を終える。

ニュービルのクラッチ力で宇都宮に軍配

後半に入ると、フィジカルを生かし、再びインサイドを強調した琉球が主導権を握る。エドワーズから個人4つ目となるオフェンスファウルを誘発したことでペイントエリアの優位性がさらに増していった。宇都宮の3ポイントシュート攻勢に対しても、プレッシャーを強めることで失点を最小限に留め、インサイドを愚直に攻め続けた琉球が再逆転して最終クォーターを迎えた。

開始2分強、宇都宮は岸本隆一に速攻を許し、再び2桁のビハインドを背負ってタイムアウトを要求。そして、4ファウルのエドワーズを投入し勝負をかける。するとフロアバランスが整ったことでオフェンスが活性化し、さらにニュービルがここから違いを生んだ。ニュービルはスクリーンを巧みに使い、しっかりズレを作ることでオフェンスが優位な状況を次々と生み出し、ジワジワと点差を縮めていく。そして、ドライブからバスケット・カウントを獲得するなど自らも得点すると、残り2分47秒には素早いパス交換からローテーションの隙を突き、3ポイントシュートをねじ込んで逆転した。

クーリーにセカンドチャンスポイントを許し同点に追いつかれるが、すぐさまニュービルのアシストからジェレットが3ポイントシュートを決めて再び突き放す。残り2分を切り、焦りの見える琉球のローは我慢できずにプルアップスリーを放つがこれが外れ、直後のポゼッションでニュービルから3ポイントのファウルを誘い出された。この判定に納得のいかないローはフロアを叩き、テクニカルファウルも追加され、5ファウルで退場に。獲得した4本中3本のフリースローを成功させた宇都宮は、さらにターンオーバー奪取から高島の速攻に繋げて8点差として勝負アリ。あきらめない琉球の粘りに遭うも、最終スコア103-96で競り勝った。

宇都宮はニュービルが29得点8リバウンド9アシストの活躍でエースとしての存在感を存分に発揮。ジェレットも29得点7リバウンド4アシストとファーストラウンドに続いて大きなインパクトを与えた。リバウンド数では下回ったものの、ターンオーバーは8に抑え、43.9%(18/41)を記録した3ポイントシュートが勝因に繋がった。

琉球の桶谷大ヘッドコーチも「やっぱり3ポイントのところだと思っている」と敗因を挙げつつ、自身の指示が不十分だったと選手たちを擁護した。「『ノースリー』を選手たちも理解してやっていたけど、その上を越えてきた。正直、宇都宮さんがすごかったです。ノースリーと言っていてもドライブが気になったり、ミスマッチを作られているのでそのヘルプで寄ったりみたいなのが選手の中でありました。(そこを)もっとクリアにして『2点はあげていい』ぐらいの話をしてあげたら、もう少しできたのかなと思います。そこらへんは駆け引きの部分だったので、これは選手を責めるわけにいかないです」

宇都宮はついにファイナルの舞台へ。対戦相手はアルバルク東京を破った桃園パウアン・パイロッツ。約2億3000万円の優勝賞金を懸けた一戦は同月22日の19時から行われる。また、宇都宮はA東京が敗れたことで『FIBAバスケットボール チャンピオンズリーグ アジア』の出場権を獲得した。