NBA

2年連続トップ4以内の指名権獲得禁止などが候補に

NBAは各チームが30試合近くを消化し、シーズン中盤戦へと突入している。サンダー、ピストンズ、スパーズが7割5分以上の高勝率で貯金を増やしていく一方、いまだ勝ち星が1桁台のチームも存在する。毎度のことではあるが、このまま借金が増えポストシーズン進出が絶望的となったチームは、シーズン後半戦になると将来を見据えた戦略を採るようになる。それがチームの将来を担う若手に経験を積ませる起用なら誰もが納得できるが、そうではない理由で『タンキング』と呼ばれる意図的に戦力を落として戦うチームもある。

タンキングはドラフト指名権の順位をより良くする目的で行われるが、勝利を目的とせずに行われる試合は魅力が落ち、リーグの価値を毀損する。そのためリーグはタンキングへの対策を講じてきた。またこの対策は今、大きな問題となっている選手による違法賭博行為への抑制にも繋がる。『ESPN』のシャムス・カラニアは、先日行われたNBAの理事会においてリーグ側がタンキング対策として次の案について議論したと伝えている。

案1 権プロテクトをトップ4位以内、または14位以上のみに限定

案2 同一チームによる2年連続でのトップ4以内の指名権獲得を禁止

案3 3月1日以前に抽選会における順位を固定

案1を提出するに至った、一つの代表的な例が2022-23シーズンのマーベリックスだ。当時プレーイン・トーナメント進出の可能性が残っていながら、マブスは残り2試合で主力を早々にベンチに下げて連敗し、わざとプレーイン出場を逃した。マブスの2023年ドラフト1巡目指名権はトップ10位以内のプロテクションがされており、もしここでプレーイン圏内に入ると指名権を失っていた。これを阻止するため意図的にチーム力を弱体化させた起用法に対し、NBAは75万ドル(約1億1000万円)の罰金を科した経緯がある。

ちなみに現在、ドラフト指名権の抽選における1位指名権の当選確率は、レギュラーシーズンのワースト3のチームが14%で同じとなっている。タンキングが減ることは、リーグのみならずファンにとってもメリットがあり、この件がどんな進展を見せるのか注目だ。