「ピックした後にダイブという動きが非常に有効」
昨年11月に行われたU-18アジア選手権で準優勝したことで、U-19女子日本代表はワールドカップ出場の切符を掴んだ。7月22日の開幕まであと2カ月、U-19女子日本代表は5月22日から24日の3日間で第1次強化合宿を実施した。
萩原美樹子ヘッドコーチは合宿を終えて「短い中でたくさんのこと詰め込まなくていけないのに、選手たちは頭がいっぱいになりながら一生懸命に理解してくれた。非常に有意義な合宿になった」と総括した。
最終日の公開練習ではピック&ロールからの展開を重点的に練習。萩原コーチはその狙いをこう説明する。「日本の選手は高くないので外側を回すのではなく、1回中に入れてから、ペイントエリアを攻めてからアウトサイドということが絶対に必要になってきます。ピックした後にダイブ(中に飛び込む動き)という動きが非常に有効なので、多めに入れました」
このU-19代表は、3月まで高校生だった世代が中心で、今の時期はWリーグや大学など新しい環境に順応するので手一杯。よって現状では高校までにやっていたプレーが多く、これからディテールを向上させることになる。
「ピック&ロールの状況でディフェンスがこう寄るので、こっちが上がってくる、などもっと細かい部分を突き詰めていく必要があります。本戦が7月なのでどれだけそこが突き詰められるかが私たちの課題です」
トランジションバスケットで目指すは世界のベスト4
目指すのはトランジションバスケット。「基本はトランジション、ディフェンスの人数が少ない状況で攻められればそれが一番良いです」
萩原コーチは「難しいですが、ウォリアーズのようなバスケットがしたい」とNBAを席巻したスモールバスケットをモデルに挙げた。「空間を開けておきながら、そこに飛び込んでいくのを理想としています。大きさがないという意味では似ていると思うし、ポストに入れてカットするプレーはおそらく日本人もできると思うんですね」
日本はオーストラリア、ハンガリー、アメリカ大陸王者という強豪国と同じグループに入った。「U-19の最高位が7位ということで、私たちはそれを超えたい。選手たちはベスト4に入りたいと言っていたので、ベスト4に入れるような戦い方をしていきたい」と指揮官は語る。
ワールドカップ開催まで2カ月を切り、今回の合宿で目指す方向性は定まった。6月19日から22日に予定されている第2次強化合宿ではセットプレーを増やしていくという。
今回招集された代表候補は20人。登録メンバーは12人のため、ここから8人が落選する。ワールドカップを見据えた本格的な強化とともに、代表生き残りレースも佳境に入る。