アダム・シルバー

「2026年のどこかのタイミングで決断を下す予定」

NBAコミッショナーのアダム・シルバーは、2026年中に新規加入となるエクスパンションチームを決定したい考えを示した。NBAは現行の30チームから32チームへの拡大を目論んでいる。

NBAカップファイナル前に行われた会見で、シルバーは「具体的な候補地について地元の関心度を測り、経済的な状況、どんな収益構造になるかと調べている段階。2026年のどこかのタイミングで決断を下す予定だ」と語っている。

複数の候補地の中でも有力視されているのはシアトルとラスベガスで、シルバーも「我々がシアトルとラスベガスを検討していることは秘密ではない」と認めている。ただ、他の可能性もあると強調する。「他の都市についても検討している。また、こういった発言によっていろいろなマーケットに対して、思わせぶりな態度を取っていると見られることには慎重に対応したい」

シアトルは1967-68シーズンから2007-2008シーズンまでスーパーソニックスが在籍した伝統がある。その後、2008-09シーズンからオクラホマシティに移転し、サンダーとして新たな歴史を歩んでいる。2000年からWNBAのストームがあり、バスケットボールは地域に根付いている。また、NFLシーホークス、MLBマリナーズ、NHLクラーケンズなど、他の主要プロスポーツも揃ってフランチャイズを構えおり、スポーツ人気が高い土地柄だ。そして本拠地はストーム、クラーケンズが使用中で、ダウンタウンにある2021年に新オープンしたクライメット・プリッジ・アリーナを使うことでインフラも問題ない。

ラスベガスはカジノを中心とした全米屈指の娯楽都市で、市場規模の大きさが魅力だ。近年はNFLのレイダースがカリフォルニア州オークランドから移転。2028年には同じくオークランドからMLBのアスレチックスが移転することが決定しているなど、プロスポーツがより盛り上がっている。WNBAのエイシーズは、リーグ屈指の強豪チームだ。

また、国外ではカナダのモントリオール、メキシコの首都メキシコシティ、国内だと中西部ミズーリ州のセントルイスやカンザスシティが候補と見られている。シアトルとラスベガスの本命となるのか、それともダークホースが出現するのか、来年にNBAがどんな決断を下すのか興味深い。