グリズリーズに11-0のランで試合を締める逆転勝利
スパーズはビクター・ウェンバニャマが左足ふくらはぎ、ステフォン・キャッスルが股関節を痛め、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを2年連続で受賞した2人を数週間欠くことになる。
スパーズ躍進の原動力となっている若いタレントがごっそり抜け、現地11月18日のグリズリーズ戦では、ジャ・モラントを欠く相手に苦戦を強いられた。試合開始から1分半で0-8とされ、早々にタイムアウトを使うことに。ジャレン・ジャクソンJr.とザック・イディーにペイントエリアを制圧され、リバウンドで38-59と圧倒された。特にオフェンスリバウンドは4-21で、ここで相手に多くのポゼッションを与えた。
ほとんど点差の離れることのない展開が続き、残り3分で100-101。だが、ここからスパーズは攻守の歯車がきっちり噛み合い、11-0のランで試合をモノにした。
ハリソン・バーンズが動きの中から3本連続でシュートを決めて107-101と逆転。グリズリーズはたまらずタイムアウトを要求するが、スパーズの勢いはもう止まらない。その前のプレーでバーンズの3ポイントシュートをアシストしたのと同じようなドライブから、ケルドン・ジョンソンが今度は自らフローターを打ちきってこれを決める。最後はディアロン・フォックスがプレッシャーをかけてボールを弾き、これをジョンソンがフロアダイブしてフォックスのイージーダンクに繋げた。
若い宝石たちが不在でも終盤にチームが攻守一丸となって勝ちきる姿に、フロスト・バンク・センターの観客は大興奮。それでも試合後の指揮官ミッチ・ジョンソンは、最後の11-0のランのうち11連続得点ではなく、失点を0に抑えたことを誇った。
「ビッグショットのいくつかはディフェンスからチャンスを生み出したものだ。ディフェンスが上手くいけば、オフェンスは自然と上手くいく。ルーズボールやリバウンドを押さえるための戦い、規律あるディフェンスは本来48分間続けたいものだが、規律の面で噛み合わない部分があった。それが第4クォーターでしっかりと噛み合い、それまでよりずっと連携が取れていた」
バーンズは、このランの最初の7-0を自らの得点で決めた。それでも指揮官ミッチが称えたのは、シュートが入ったことではなかった。「クラッチショットを決めれば目立つが、彼は常に安定している。他の選手が波に乗っている時に、目立たない小さな仕事をこなしているんだ。その上で、自分の活躍が必要な場面ではきっちり仕事をする。これはとんでもないスキルであり、注目されるべきだ」
バーンズも素晴らしい逆転勝利を喜びながらも、指揮官ミッチと同じく、シュートが決まったことではなくディフェンスが勝因であることを強調した。
「リバウンドでひどく劣勢だったから、ディフェンスで相手を止めてポゼッションを奪い返す必要があった。必要なプレーをしっかりやれたことが勝因だった。今日一番良かったプレーはケルドンのダイブだよ。グリズリーズは活気あるチームだけど、ケルドンはボールと一緒に相手のエネルギーを僕たちへと引き寄せた。彼のハッスルからのフォックスのダンクは、僕らのエネルギーを象徴するようなプレーだった」
ウェンバニャマとキャッスルの戦線離脱で、しばらくは苦戦が続くだろうが、経験豊富なバーンズは自分たちのやるべきことを見失ってはいない。「チーム状況は厳しいけど、だからこそ僕は若い選手たちに日々の準備がいかに大切かを説く。ただシューティングをすればいいわけじゃない。ウエイトトレーニング、身体のケア、睡眠と食事。毎日コートに立ってパフォーマンスを出すためにはすべてが必要だ。若い選手にとって、自分に何が必要かを見極めるまでには時間がかかる。だけど、みんなそれを理解しようと努め、日々成長しているよ」
