
何を質問されても「コーチングスタッフに聞いてくれ」
現地11月1日、グリズリーズはレイカーズに112-117で敗れた。エースのジャ・モラントはフィールドゴール14本中成功わずか3本、8得点7アシストと不発。どんな選手にも好不調の波はあるが、この日のモラントには『異常』が見られた。味方がスクリーンを掛けに来ても使わずにパスをさばくだけ、味方からのパスを追いかけないシーンもあった。
特に後半は無得点と、アグレッシブな姿勢は全く見せられず。チームは69-55とリードして前半を折り返したが、第3クォーターに22-34と失速。最後まで立て直せずに逆転負けを喫した。
そのパフォーマンスを見れば、ケガを抱えながらプレーしているなどの『異常』があると感じるもの。試合後のロッカールームで取材に応じたモラントは、自身の不調について質問されると「コーチングスタッフに聞いてくれ」と答えた。
さらにチームをどう改善するか、との問いに対してモラントはこう吐き捨てた。「彼らに言わせれば、僕を試合に出さないことだろうね。コーチ陣がそう考えるなら、そうすべきなんだろう。それがメッセージであれば僕は構わないさ」
『ESPN』のシャムス・カラニアによれば、試合後のチームミーティングでヘッドコーチのトゥオマス・イーサロがモラントのやる気のなさを批判したのに対し、モラントは侮辱的な態度を取ったという。グリズリーズは『チームの利益に反する行為』としてモラントに1試合の出場停止処分を科した。
モラントは過去にコート外のトラブルを何度も起こし、長期出場停止処分も受けてきた。今回もコーチ陣との対立があり、それに対して1試合の出場停止処分だけでは済まないだろう。
グリズリーズはここまで3勝3敗。それでも勝ったのはペリカンズ、ペイサーズ、サンズと開幕から絶不調のチームばかり。ヒートとウォリアーズには大敗しており、そして今回のレイカーズ戦ではモラントの無気力なプレーで逆転負け。チームが機能していないのは間違いなく、ここで問題を先送りにせず何らかのテコ入れをすることは必須だ。
ただし、スター選手は厳しく締め付ければ良いものではなく、もちろん好き勝手にやらせて上手くいくものでもない。その良いバランスをどう見いだすか、こうなってしまったモラントの扱いは相当に難しいと言わざるを得ない。