「時々滅茶苦茶、それを認めてくれる仲間たちに感謝」

レブロン・ジェームズはまだコンディションが整わず欠場が続いており、ルカ・ドンチッチは左手の指の捻挫と左足の打撲で1週間程度の戦線離脱となった。開幕から43得点9アシスト、49得点8アシストを記録したドンチッチの欠場はレイカーズにとって大きな痛手だが、『第3の男』オースティン・リーブスがチームを救った。

現地10月26日のキングス戦、攻めのファーストオプションとなったリーブスは奮起した。第1クォーターはいつも通りのプレーをして、レイカーズを引っ張ったのはフィールドゴール5本中4本を決めた10得点の八村塁だったが、第2クォーター以降は自分のシュートタッチの良さを自覚し、空いていた主役の座に収まった。

「序盤はあまり調子が良くなかった。シュートを外し、パスミスもあった。だけど、ルカがいない試合では粘り強くやるしかなかった。50得点しなきゃいけない、とは思わないにせよ、勝つためにはいつも以上にやらなければいけないと考えていた」とリーブスは言う。

軽やかなフローターも、マークが真正面にいるにもかかわらず打ちきる3ポイントシュートもあった。ドンチッチばかりが目立った開幕からの2試合、リーブスも26得点、25得点と好調だった。攻める機会が増えたことで、その好調ぶりは際立った。アグレッシブに攻め、躊躇なくシュートを放ち、相手を引き付けてのアシストも忘れなかった。

「好調の理由は分からないけど、チームメートやコーチングスタッフが僕をありのままでいさせてくれるから、自信を持ってプレーできる。みんなもそういう印象を持っているだろうけど、僕のプレーは時々滅茶苦茶だよね?(笑) でもそれが僕のプレースタイルなんだ。みんな決して『抑えろ』とは言わない。『やりたいようにやれ』と言ってくれる。僕はただ、チームが勝つために自分にできることをしたいだけなんだ。それを認めてくれる仲間たちに感謝している」

リーブスは大活躍しながらもセルフィッシュにプレーしたわけではない。11アシストを記録し、ターンオーバーはわずか2つ。指揮官JJ・レディックは「スター選手にはボールが自然と集まるもので、だからこそボールを手離す判断が重要だ。オースティンは素晴らしい働きをしている」と、リーブスの判断力を称えている。

そんなリーブスは仲間たちから愛されている。勝利が決まった瞬間、今夜のヒーローである彼はまず八村に抱きかかえられ、祝福するチームメートに包まれて姿が見えなくなった。ロッカールームでは水浸しにされ、ボサボサの髪で会見場にやって来た。

「ルーキー時代のマブス戦で決勝の3ポイントシュートを決めた時以来だと思う」とリーブスはうれしそうに話す。「僕たちはとても多くの時間を一緒に過ごす。練習場や遠征など90%は一緒にいて、一生続く特別な関係を作る。僕を僕らしくいさせてくれる彼らのやり方は本当に素晴らしいものさ」

そして、ドンチッチとも良い関係を築いているとリーブスは言う。「ルカとはいつもトラッシュトークなんだ。今日も試合前にメッセージをやり取りしていて、『今日はお前の60得点が必要になる』と送られてきた。返事をしないまま試合になって、今はまた新しいメッセージが来ているだろうけど、まだ確認していないんだ。60得点には足りなかったけど、キャリアハイの51得点なら十分だよね?(笑)」