攻守のバランスの取れたローテーションを見いだせるか
昨シーズン途中にルカ・ドンチッチをトレードで獲得したレイカーズは、そこから西カンファレンスで3位まで順位を上げました。不意に起きたビッグトレードでロスターのバランスが大きく乱れたにもかかわらず、スモールラインナップを駆使して勝つ手段を見いだしたのは素晴らしかったものの、プレーオフではビッグマンの弱さが目立ちました。
迎えたオフはトレードの噂も多かったものの、バイアウトでフリーエージェント市場に出てきたディアンドレ・エイトンとマーカス・スマートの獲得に留まりました。懸念のビッグマンとディフェンダーは手に入れたものの、現行戦力を失うことを避けた形で、それは継続的なチーム作りを優先したという事でもあります。
実際、オフェンス面はほとんど問題はありませんでした。ドンチッチとレブロン・ジェームズという強力なプレーメーカー2人から、イージーショットのチャンスが生み出されるため、適切なポジショニングやタイミングの良いカッティングといった連携が深まっていくことで、得点力は自然と上がっていきます。ただ、連携によるオフェンスを重視する分だけディフェンスでは問題が発生します。
ドンチッチとレブロンはともにオフェンスではポイントガード役を担うものの、ディフェンスになるとガードとマッチアップするにはスピードと運動量が足りておらず、インサイド寄りのウイングを守る方が得意です。そのため、相手ガードを守るウイングが必要になり、昨シーズンはそれをドリアン・フィニー・スミスが担当している時間帯はディフェンスも機能しました。そのフィニー・スミスが移籍してしまったため、スマートを中心にどのようにカバーしていくのかが注目されます。
レイカーズの課題は攻守のバランスの取れたローテーションを見いだすことです。それは同時にベンチメンバーを多く起用してプレータイムシェアを進めることでもあります。プレーオフでは5人が30分以上プレーしており、対戦相手や試合展開による使い分けができませんでした。昨シーズンはドンチッチ加入にアジャストするのに精一杯で、プレーオフのために戦い方の幅を広げる余裕がありませんでしたが、今回はレギュラーシーズンを通してこの課題に向き合うことになります。
西カンファレンスはサンダーのようなスピード溢れるチームもあれば、ティンバーウルブズのように高さとフィジカルに強みを持つチームもあり、アジャストしていくことは重要です。
オフにダイエットに取り組み、プレースタイルにも変化が出ているドンチッチを中心にしたチーム作りは始まったばかり。ここからどのような化学反応が起きるか楽しみでもあります。