ウォリアーズ

ルーニーが退団、地味でも重要な役割は誰が担う?

ウォリアーズはオフを通してジョナサン・クミンガの契約延長に揺れました。結局は残留となったものの、その間は積極的なトレードに打って出ることもできず、ビッグネームの補強はありませんでした。それでも、チームに必要なタイプの選手を連れてくることは忘れず、的確な補強でシーズンに臨みます。

ジミー・バトラー加入による大きな変化は、ポストアップが増えたことと、そのためにセンターのポジションでストレッチタイプのクインテン・ポストのプレータイムが伸びたことです。ここにポストアップからの展開も3ポイントシュートも上手いアル・ホーフォードを加えたことで、層の厚さも安定感も増しています。

ガードにはステフィン・カリーの弟セス・カリーを加えて控えのシューターを手厚くし、バディ・ヒールドとともに3人のシューターが揃ったことで、チームのベースとなるシューティングに厚みを出し、何よりエースを休ませる時間を長くできそうです。

ディフェンス面では昨シーズン序盤にケガで離脱したディアンソニー・メルトンを呼び戻し、高さよりも広い範囲を守れることを重視したウォリアーズらしいスピードのあるディフェンス戦術を強化しました。

バスケのスタイルを変えず層を厚くする補強ですが、39歳のホーフォード、35歳のセス、大ケガからの復帰となるメルトンと、想定通りに全員が働けるのかは疑問が残ります。スターターですら30分も起用しないプレータイムシェアが前提ではありますが、ベテラン揃いのロスターが健康を保てるのかがウォリアーズの生命線となります。

また、10シーズンに渡って控えセンターとしてインサイドを支えたケボン・ルーニーの退団で、スクリーンなどシューターを支える役割にも不安があります。この間、何人ものビッグマンを獲得しては定着しなかったのは、スクリーンやディフェンスローテーションなど、地味ながら重要なチーム戦術をこなせる選手が限られたからで、この役割を誰が引き継ぐのかも注目ポイントです。

若きサンダーがチャンピオンリングを手にし、それを追うロケッツも若手主体で成長してきました。そして後ろからはビクター・ウェンバニャマを擁するスパーズも迫ってくる中で、大ベテラン中心のウォリアーズがシーズンを最後まで走り抜けるのか。長いシーズンが再び始まります。