カギを握るのは新戦力の融合

B1昇格初年度となった昨シーズン、千葉ジェッツや島根スサノオマジックなどチャンピオンシップ進出クラブに土をつける躍進も見せたが、ケガ人にも悩まされシーズンを通じて勝ち星が伸びず、19勝41敗の東地区6位で終えた。想定を上回らなかった結果を受けて、今オフは大きくロスターを動かしてきた。

引退したジェフ・ギブスを筆頭に、外国籍選手は総入れ替えとなり、NBAでのプレー経験を持つセクー・ドゥムブヤとジャレル・マーティンを獲得。2選手とも初めてBリーグでプレーするが、身体能力が高く機動力にも優れているため、越谷のスタイルにフィットするだろう。さらにサンロッカーズ渋谷からガードのアンソニー・クレモンズも加入。アジア特別枠はカイ・ソットが継続となったが、インジュアリーリストに登録されているため、帰化選手のビッグマンである小寺ハミルトンゲイリーが2シーズンぶりの復帰となった。

日本人選手も大幅に入れ替わった。ビッグマンは鎌田裕也(川崎ブレイブサンダースから移籍)とジャワラ ジョゼフ(徳島ガンバロウズから移籍)が加入。ウイングにはシューターの大庭岳輝(横浜ビー・コルセアーズから移籍)とディフェンスに定評がある三ツ井利也(信州ブレイブウォリアーズから移籍)と実力者を揃えた。青森ワッツからは池田祐一も加わり、新しい融合が楽しみなシーズンが始まる。

スタッツ

予想スタメン

※掲載情報は9月29日時点のもの

昨シーズンは、シーズン序盤こそハイペースをキープしてスタイルを徹底していたが、欠場者が多かったこともあり終盤にかけて失速してしまった。クレモンズや池田の加入により、バックコートでアドバンテージを得られるため、ガードを起点にどのような展開を見せていくか注目だ。それぞれが強みを発揮できるバスケができれば上位相手にも十分に戦える力はあるため、まずはディフェンスやリバウンドなどベースの部分をいち早く築いていきたい。

所属選手一覧

※掲載内容は9月29日時点のもの

【キープレーヤー】

アンソニー・クレモンズ
昨シーズンはSR渋谷で平均14.2得点、4.8リバウンド、5.6アシスト、1.8スティールとオールラウンドに活躍。メインハンドラーを担うことができ、3ポイントシュートの成功率も高いため、相手にとっては簡単に止められない存在だ。日本でプレーした2シーズンで1度も欠場がないのは、何よりも称賛されるべきポイントだ。

【若手選手】

菅原佳依
昨シーズン特別指定選手として加入し、12試合中8試合で先発出場。終盤は欠場したものの、多くの試合で20分以上プレーしてチームを支えた。3ポイントシュートは平均3.1本試投して37.8%と高確率を誇った。ルーキーシーズンは、サイズを生かした幅広いプレーでさらなるブレイクが期待される。

【新加入選手】

池田祐一
青森ワッツから移籍。2シーズン連続でB2アシスト王に輝き、昨シーズンの得点はB2日本人選手で3位となる平均12.6得点を記録。青森では絶対的な存在だったため、初のB1でのチャレンジが楽しみな選手だ。プレシーズンゲームでは先発を務めるなどチームの中心を担っていただけに、新天地でも存在感を示してくれるに違いない。