インサイドの強化で真っ向勝負な正統派スタイルへ
新体制で臨んだ昨シーズンは開幕からの2ヵ月間で2勝16敗と大きく負け越し。その結果を受け、12月17日にジェフリー・ヒロナカヘッドコーチが辞任し、遠山向人アシスタントコーチが指揮官を引き継いだ。年末年始には5連勝するなど持ち直し、27勝33敗で逆転プレーオフ進出を果たした。プレーオフではアルティーリ千葉に完敗しB1昇格の目標は叶わなかったが、序盤の苦戦を考えれば得るものも大きかったシーズンだったと言える。
今オフは、チームを支えた山本柊輔と本村亮輔が揃って引退したものの、多くの日本人選手が契約継続。遠山ヘッドコーチも続投しているため、昨シーズン中盤以降の勢いを序盤から発揮したいところだ。日本人選手の新加入は信州ブレイブウォリアーズから石川海斗のみだが、かつてクラブに在籍していた実力派ポイントガードの復帰のインパクトは大きい。
外国籍選手は、ヨーロッパを中心にプレーし経験値の高いモンテネグロ出身のネマンヤ・ジュリシッチが加入。サイズがありながらもウイングのような動きができるオールラウンダーで、昨シーズンはロシアリーグで平均11.5得点、4.7リバウンド、2.7アシストを記録している。帰化枠でモッチ ラミンも加入し、インサイドにさらに厚みを持たせた。昨シーズンのリベンジを果たす準備は万端だ。
スタッツ

予想スタメン

※掲載内容は9月23日時点のもの
昨シーズンは外国籍選手やアジア特別枠選手をインサイド以外で起用し、アドバンテージを得ようとしたが機能しなかったため、今シーズンはオーソドックスにこれらの選手をインサイドにあてた。昨シーズン以上にバックコートの日本人選手の活躍が不可欠だ。昨シーズンからの流れで、ディフェンス強度の向上に大きく期待できるため、しっかり守りテンポよく攻められるかに注目。昨シーズンはペイント内に得点が偏っていたため、ボールをシェアしてバランスよくオフェンスを展開していきたい。
所属選手一覧

※掲載内容は9月23日時点のもの
【キープレーヤー】

山本翔太
昨シーズンは、B2の日本人選手最多の平均13.1得点を記録し、名実ともに熊本のエースとなった。武器である3ポイントシュートに加えて、ドライブからのプレーメークも効果的だったため、アシストの増加にも期待が持てる。チームの中心選手として、より責任感が増した山本のプレーに期待だ。
【若手選手】

保坂晃毅
昨年末に特別指定選手として加入し、33試合中16試合で先発出場。平均16分22秒の出場時間を獲得した。3月のライジングゼファー福岡戦ではクラッチシュートを決めてチームを勝利に導くインパクトを残した。スピード感あふれるプレーとルーキーらしいアグレッシブなプレーでチームに勢いを与える。
【新加入選手】

石川海斗
2020-21シーズンぶりに2シーズンプレーした熊本に帰ってきた。キャリアを通じてチームを牽引する役目を担ってきただけに、彼にかかる期待が大きい。シーズン中に35歳を迎えるベテランだが、衰えはまったくなく、昨シーズンは平均9.3得点、6.0アシストを叩き出している。ここぞの場面での勝負強さにも注目だ。