アイザック・ボンガ

2018年から22年にかけてNBAに在籍

『FIBAユーロバスケット2025』で優勝を果たしたドイツ代表をけん引したのはデニス・シュルーダー、フランツ・バグナーの2大エースだが、守備の要としてチームを支えたのはアイザック・ボンガだった。203cmのウイングであるボンガは、機動力とリーチの長さを生かした粘り強いディフェンスで相手の得点源にプレッシャーをかけ続けた。スタッツに残らない活躍を評価されたボンガは、大会のベスト守備選手賞を受賞している。

セルビアの名門パルチザン・デオグラードに在籍している25歳のボンガだが、今大会のハイパフォーマンスによってNBA復帰を期待する声が高まっている。ボンガは2018-19シーズンにレイカーズでNBAデビューを果たし、ウィザーズ、ラプターズにも在籍した。しかし居場所を確立することができず、2021-22シーズンを最後にプレーの場を欧州に移している。NBAにおける通算成績は4年間で143試合出場、平均13.1分出場、3.1得点、2.2リバウンドと凡庸だが、NBAを去ってから着実な成長を遂げたことを今回のユーロバスケットで証明。ルカ・ドンチッチ、ラウリ・マルカネンといったNBA屈指のスコアラーたちも苦しめた。

決勝後の取材で、現在マジックの中心選手となっているバグナーは「彼はNBAに行くべきだ」と語り、他の代表チームメートたちもそれに同調した。だが、ボンガ本人は、「この件はみんな話題にするネタのようなものだ。今はみんなと優勝を楽しみ、家族と大会について話したい。その後、どうなるか様子を見よう」と関心を示していない。

実際、ボンガがここからNBAチームと契約を結ぶのは難しい模様だ。セルビアの地元スポーツメディア『Mozzart Sport』によると、今夏ボンガはパルチザンと2027年までの契約延長に合意。NBAからオファーが来た場合は優先できる特別条項が含まれているが、今シーズンに関してはすでに失効となっている。

今秋からNBAに復帰することは無理でも、彼はまだ20代中盤と若く十分に時間はある。果たしてボンガは1年後、NBAへの二度目のチャレンジを決意するのだろうか。