ジョージア代表

「この舞台にふさわしいチームであることを示した」

ユーロバスケットで優勝候補のスペインやフランスを撃破する快進撃を見せたジョージア。ベスト8での敗退という結果を潔く受け入れるのは簡単ではない。それでもジョージアは『グッドルーザー』として舞台を降りた。

開幕戦で前回王者のスペインを撃破したものの、イタリアとギリシャ、ボスニア・ヘルツェゴビナに敗れてグループCの4位に。それでもベスト16ではグループD首位のフランスを破る番狂わせを起こした。迎えた準々決勝では3ポイントシュート31本中17本成功(成功率54.8%)と絶好調のフィンランドの勢いに飲み込まれ、ほとんどの時間帯で2桁のビハインドを背負い、79-93で敗れた。

ユーロバスケットでは順位決定戦は行われず、グループリーグの順位と得失点差で最終順位が決まる。ベスト8に残ったチームで唯一、グループリーグ4位だったジョージアは8位となった。それでもジョージアにとって8強進出はユーロバスケットの最高成績。1991年の独立以来、代表チームが最も充実しているのが今だ。

ジョージア代表を長年引っ張ってきたトルニケ・シェンゲリアは、フランスを破った夜に「僕らはバスケの戦術を遂行するだけのチームじゃない」と語った。「僕らは国のため、隣にいる仲間のために戦っている。団結し、お互いを信じ合う。それがプレーに表れている時、僕らは試合に勝てる」

フィンランド戦は荒れた展開となり、両チームとも判定へのストレスを表に出し、小競り合いもあった。ジョージアを率いるアレクサンダル・ジキッチは退場処分を受けている。試合後の彼は「私はセルビア人で、穏やかで忍耐強いことで知られる国から来た」と語った。もちろん、これはジョークだ。バルカン半島出身の人間は誰もが血気盛んで、スポーツの試合ではそれが顕著に出る。彼もそれで退場したが、気持ちは切り替えられていた。

「相手は3ポイントシュートを54.8%で決め、我々は32.3%しか決められなかった。これでは勝つのは厳しい。正直に言えば、負けたから気分は良くない。しかし、自分たちの戦いを誇りに思うべきだ。自分たちがこの舞台にふさわしいチームであることをコートに示したからだ。もっと上に行くこともできただろうが、それは次のチャレンジだ」

ジョージア代表

「相手のほうが優れていたというシンプルな話だ」

ジキッチはこう続ける。「フィジカルな試合で、不公平だと感じる判定がいくつかあった。しかし、それが原因で負けたのではない。相手のほうが優れていたというシンプルな話だ。今日の試合で唯一後悔しているのは退場になってしまったこと。本当はフィンランドのラッシ(トゥオビ)コーチと選手全員に、コート上で準決勝進出を祝福したかった。あとでラッシには直接それを伝えるつもりだ」

そして彼は、大会をこう総括した。「最初はこの大会に出場することが目的だった。次はグループリーグを突破すること。ベスト16で優勝候補のフランスを破り、ベスト8でフィンランドと渡り合った。満足していいのだろうか? 私は今大会での戦いを誇りに思うが、満足はしない。このチームはもっと上を目指せるからだ。でも、誇りに思うよ」

次の目標は2027年のワールドカップであり、まずは予選突破が目標となる。「まだ何とも言えないな」と指揮官ジキッチは言う。「NBAに2人、ユーロリーグに2人の選手がいて、ロスターがどうなるか。私ははっきりしていないことについて約束はしないタイプなんだ。ワールドカップに出場できるとは今は言わない。しかし、一生懸命に準備をし、全力で戦うことは約束するよ。ここで成し遂げたことを誇りに思い、その先へと進むんだ」