写真=Getty Images

シリーズ3戦目にして初のリードを奪ったジャズ

ウォリアーズとジャズのプレーオフ準決勝第3戦。終盤までもつれる展開となったが、ウォリアーズが終盤に突き放し、102-91で勝利した。

立ち上がりは10-10と拮抗するが、ウォリアーズが次第にリードを奪う。ケビン・デュラントがスクリーンから一瞬の隙を突き3ポイントシュートを沈め、身長のミスマッチを利用したポストプレーで得点を重ね、第1クォーターで27-17と2桁のリードを奪う。

だが第2クォーターに入るとセカンドユニットを引っ張るウォリアーズに対し、ジャズは早い段階で主力を戻して追い上げる。得意の守備ではドライブに対してのヘルプディフェンスと、その先のパスの受け手へのローテーションが機能し、ウォリアーズの勢いを止めた。

オフェンスではペイントエリアを攻め立てる。単なるセンターの1対1ではなくインサイドで起点を作り、他の選手が動くことでペイントエリアの得点を重ねた。特にルディ・ゴベールがフィニッシャーとしても、起点としてでも存在感を示した。

残り1分、ウォリアーズのダブルチームをかいくぐり、ノーマークとなったロドニー・フッドの3ポイントシュートが決まり逆転。そのまま50-49と1点リードして前半を終えた。

後半に入ってもまったく互角のまま時計は進んでいく。だが同点で迎えた残り26秒、トランジションからアンドレ・イグダーラの速攻が決まり72-70とウォリアーズがわずかにリードして最終クォーターを迎えた。

守備的な展開が続く終盤、オフェンス力の差が出る

互いにボールマンへのプレッシャーを強めタフショットを打たせ、ギリギリのところでブロックショットで守りきるといったディフェンシブな展開が続く。だが、残り4分を切ったところからウォリアーズが3ポイントシュートでペースをつかむ。

ステフィン・カリーがパス&ゴーとスクリーンを駆使し、ノーマークから3ポイントシュートを沈めて89-84。ゴードン・ヘイワードのマークをスイッチさせ、ゴベールとの1on1に持ち込んだデュラントが、ドライブを意識する相手の前で3ポイントシュートを沈めて、92-84と3ポゼッション差とした。

残り3分で8点差とまだ慌てるような時間ではなかったが、ジャズは良い形でシュートが打てず約4分間フィールドゴールの成功がなかった。直後のオフェンスでもヘイワードのパスがカットされてしまうなど、オフェンスが停滞してしまう。この間、3ポイントシュートのファウルを誘ったカリーに3本のフリースローを決められ84-95、終盤に2桁のリードを許した。

残り55秒、フリースローを2本外したゴベールに対し、デュラントがジャンプショットを決めて99-87としたところで勝負アリ。ジャズはファウルゲームに持ち込むこともできず、終盤の失速が響き91-102で敗れた。

デュラントがゲームハイの38得点13リバウンドのダブル・ダブルを記録。ペリメーターを攻めて個人技から次々と得点を奪い、ジャズ自慢の堅守を崩した働きにも「僕にとっては、いつもやっていることをしたにすぎない」と平然と話す。「どの試合でもあの位置からの得点はしているからね。もちろん得点だけじゃない、守備をして、チームメートのヘルプに入り、彼らにオープンでシュートを打たせず、動いてスクリーンをセットする……。すべては簡単ではないが、ベストを尽くしている。得点以外のことにもトライすることで、得点能力が少し上がるように感じているよ」

敗れたジャズはヘイワードが29得点6アシスト、ゴベールが21得点15リバウンドを記録した。ラスト6分24秒で12-24とウォリアーズに圧倒され、勝負どころのパフォーマンスに大きな差があった。これで3連敗と後がなくなったが、最初の2試合が終始追いかける展開だったのに対し、初めて終盤まで接戦に持ち込み、第4クォーターに入ってリードする場面があるなど、試合を重ねるごとに戦えるようにはなっている。

崖っぷちに追い込まれたジャズが一矢報いるか、それともウォリアーズが2連続でのスウィープを達成するのか、第4戦も目が離せない。