
青森ワッツの中心選手として活躍していた池田祐一は今オフ、越谷アルファーズへ移籍する決断をした。カテゴリーを変えたことで対戦相手はもちろん、チームメートとの競争も激化する。その中で池田は「自分の強みを発揮していく」と力強く語る。個人として意識していることや、チームとして勝利のための展望を聞いた。
「勝つことしか意識していない」
──チームメートに目を向けると、不動のスタメンガードの松山駿選手や、得点力が高いアンソニー・クレモンズ選手がいます。彼らとは違う強みを見せていく必要がありそうです。
彼らと一緒に出る時間帯もあれば、控えからバックアップで出る試合もあると思います。それぞれプレースタイルが違うので、勝手にそれぞれの色が出るかなと。そこでリズムを変えて勝ちに繋げていきたいですね。松山さんはB2時代から知っているので、どういうプレーをするか分かっています。クレモンズ選手はまだ一緒にやっていませんが、2年前に青森でジョーダン・ハミルトン選手と一緒にやっていたので、外国籍ハンドラーとコートに立つ感覚は分かっています。越谷はしっかり自分の仕事ができる選手が多いので、ハンドラーとハマれば強さを見せていけると思います。
──新加入のインサイドの外国籍選手はいずれもアスレチックなタイプかと思います。青森でチームメートだったマックス・ヒサタケ選手にも似たような部分もありますが、連携のイメージはありますか?
2人ともしっかりリムからリムへ走れる選手なので、そういう部分はマックスと同じようにできるかなと。ピック&ロールからダイブして似たような感じで合わせられるイメージはあります。ただ、B1は相手のフィジカルも違うので、しっかりギャップを作らないといけないですね。あと青森にはポップする選手がいなくて、ダイブのパスを通すことが多かったので、ポップできる選手とやるのは楽しみですね。
──個人のパフォーマンスで言うと、意識しているスタッツはありますか?
個人のスタッツは特に気にせず、勝つことしか意識していませんでした。勝つために細かく分析をし、自分が何をしないといけないかを考えてやっていました。僕の強みと相手の弱点を照らし合わせて、そこをどれだけ突けるか、といったことばかりを考えてました。本当はプロ選手なので、スタッツも気にしながらやらないといけないなと分かってはいるんですけどね。
──勝利を目指した結果、アシストや得点といった数字が付いてくるのは理想的だと思います。
そういうことですよ。2シーズン前もアシストが「ついてきちゃった」という感じでした。別にアシストをしたくてアタックしていたわけではなので、アシストは増えただけという感覚です。昨シーズンに至っては、アシストよりも得点を狙っていましたからね。でも終わってみればアシストが増えていたので、僕もなんでこうなってるのかが分かっていないんですよ(笑)。
──池田選手は相手から警戒されていて、他の選手がオープンになる場面もあったので、結果的にアシストが増えたのかと。
確かに2年前はハミルトン選手もいたので、あまりボールを持つ時間も長くなかったんですよね。得点を狙えばアシストが増えて、アシストは狙っても増えないという肌感覚があります。

「琉球との対戦は感慨深いものがある」
──哲学的な話で面白いです(笑)。では、チームの勝利のために何が必要だと思いますか?
宇都宮ブレックスや千葉ジェッツ、琉球ゴールデンキングスもそうですが、B1の強豪チームと同じような戦い方をしても、多分勝てないと思います。どこかに変化を入れないといけないとなった時に、まずは勢いが重要かなと。僕たちに失うものはないし、相手にどんどん向かっていくような姿勢で、フェイスガードディフェンスをするとか、トップチームを飲み込んでいくパワーが必要です。そういったエネルギーや流れを呼び込み、変化を与えられる選手になれればと感じています。
──先日行われた記者会見では「チャンピオンシップ出場」という目標が掲げられていました。
「チャンピオンシップに行くには全然足りてない、弱い」というところからスタートしています。だから練習でも、自分で細かいところをもっともっと意識しないといけないと毎日反省しながらやっています。もっともっと練習をしなきゃいけないなと。ありがたいことに終日使える練習場があるので、朝からずっと練習しています。
──今シーズン、琉球との対戦は越谷ホームですよね。地元の沖縄に行ってプレーしたかったという気持ちもあるのかなと。ただ目標としているチャンピオンシップに出場すれば沖縄で試合ができるかもしれませんね。
そうですね。ワイルドカード4位でチャンピオンシップに行けば、琉球は全体1位かもしれないので沖縄に行けますね(笑)。そういった意味で、どんな形でもチャンピオンシップ出場は狙っていきたいです。ホームゲームではありますが、小学生の時から見ていたチームとの対戦は感慨深いものがあります。プラスして、ずっと観ていた岸本隆一さんとマッチアップできるのはかなり楽しみですね。
──最後に応援してくださっている方にメッセージをお願いします。
開幕前からいろいろな思いをさせてしまっているとは思いますが、チーム、アルファメイトの皆さん、越谷という街がより一層一体となっていければと思います。チャンピオンシップ進出を勝ち取れたらスーパーでサプライズなシーズンになりますので、一緒に戦っていけたらうれしいです。応援よろしくお願いします。