ジャレス・ウォーカー&アイザイア・ジャクソン

ジャレス・ウォーカーとアイザイア・ジャクソンに期待

新シーズンの東カンファレンスは混戦が予想されます。その理由の一つはNBAファイナルまで進んだペイサーズが、タイリース・ハリバートンをケガで欠き、さらにマイルズ・ターナーの移籍によって、明らかにチーム力を落としたことです。絶対的なポイントガードとセンター抜きで、ここ2シーズンのような好成績は期待できません。

ハリバートンについては回復を待つことになりますが、ターナーが抜けたセンターにはジェイ・ハフを獲得したものの、内部昇格を期待したいところです。昨シーズンのプレーオフでは控えセンターにケガ人が続出し、ストレッチタイプのトーマス・ブライアントとゴール下タイプのトニー・ブラッドリーを相手に応じて使い分けました。それが機能したことからも、必ずしもターナーほど万能に仕事をこなす必要はなく、まずはディフェンスを安定させられることが重要です。

第1候補は5年目のアイザイア・ジャクソン。206cmとアンダーサイズではあるものの、高い機動力とフィジカルの強さで貢献するタイプで、平面のディフェンスで強さを発揮するだけでなく、リバウンドにも強みがあります。特にオフェンスリバウンドに強く、フィールドゴール成功率も60%を超えるなど、オフェンス面ではインサイド担当としての貢献が期待できます。

第2候補は3年目となるジャレス・ウォーカーです。昨シーズンはスモールフォワードとして起用されており、センターとしてターナーの役割を引き継ぐ形ではなく、パスカル・シアカムやオビ・トッピンといった機動力の高いパワーフォワードが多いロスター構成を生かし、スモールラインナップで相手を翻弄する新たなオプションをもたらすことが期待されます。ウォーカーは40%を超える3ポイントシュート成功率とパス能力を持ち合わせ、インサイドのプレーメーカーになれるだけでなく、ガードからセンターまで守れるオールラウンドなディフェンスが魅力です。

他にもゴール下担当のトニー・ブラッドリーが残留し、ストレッチタイプのジェイ・ハフをトレードで獲得。ケガから復帰する万能系のジェームス・ワイズマンも加えて三者三様のセンターをロスターに加えています。スモールラインナップだけでなくビッグラインナップも可能な彼らのそれぞれ異なる持ち味を生かし、チームに新しいオプションを複数導入できれば理想的です。

ターナーの抜けた穴を埋めるのは簡単ではありませんが、試合展開に応じた柔軟な起用法と戦い方こそがペイサーズ躍進の秘訣でもあり、『伸びしろ』というポジティブな要素になります。NBAファイナルを経験したチームがさらなる進化を見せられるか。ピンチでもあり、チャンスでもある新シーズンとなります。