「優勝をつかみ取るという挑戦に興奮している」
ブラッドリー・ビールは地域貢献活動の一環として、生まれ育ったセントルイスに『ブラッドリー・ビール・エリート』というU17チームを運営している。NBAチームのないミズーリ州のタレントを見いだし、飛躍のチャンスを与える活動にビールは大きなモチベーションを見いだしており、オフも長い時間を少年たちの指導に費やしている。
この年代の登竜門とされる『ピーチ・ジャム』で、ブラッドリー・ビール・エリートは2連覇を飾った。セントルイスの地元局『FIRST ALERT4』の取材に応じたビールは「コーチングはシンプルに楽しいよ。だからオフの大半はこのチームで過ごしている。この2年間、選手たちは力を合わせ、必死に戦ってトロフィーをセントルイスに持ち帰った。それは僕にとっても大きな成果だ」と語る。
「みんなヤンチャなのにチームとしてよく結束し、高いレベルで競い合うことから決して逃げず、逆境に負けない。大学でもプロでも通用すると思う。彼らは僕のようにNBAに入って、最高のレベルでプレーしたいという願いを持っている。僕がいることで、選手たちは『夢が実現できるんだ』と感じられる。その役割を果たすことに誇りを持っているよ」
加えてクリッパーズとの契約についても触れ「僕はリングが欲しい」と語った。「僕は新しいエネルギー、新しいハングリー精神を得られた。新しい環境に刺激を受け、優勝をつかみ取るという挑戦に興奮している」
サンダーの優勝が示す通り、今のNBAでは若い力がトレンドとなっているが、クリッパーズはその真逆を突き進んでいる。ビールは32歳となったが、今オフの新加入選手は40歳のクリス・ポール、37歳のブルック・ロペスとそれ以上のベテランばかり。もともとジェームズ・ハーデンが35歳、カワイ・レナードが34歳とベテラン揃いのチームの平均年齢がさらに押し上げられた。
ビールもこのチームではベテランではなく中堅の立場で、プレーするだけでなくハードワークすることで、サンズでの不振を払拭することが求められる。だからこそ、この時期を前途有望な若者たちと過ごし、その野心とエネルギーを得ることが重要なのかもしれない。
ビールは明るい表情でこう語る。「喜びと情熱を与えてもらっている。彼ら以上に僕が楽しんでいるかもしれないね」