【リオ五輪、その後】大﨑佑圭(JX-ENEOS)『新婚のセンター』は自然体で「1年1年レベルアップ」に取り組む

2017/05/05
Bリーグ&国内
385

文=小永吉陽子 写真=WJBL、小永吉陽子、野口岳彦、古後登志夫

Wリーグファイナルでは3戦を通してMVP級の働きで9連覇に貢献した間宮佑圭。シーズン終了後の4月3日、27歳を迎えたその日に、年内に入籍をすませて『大﨑佑圭』となったことを自らのインスタグラムにて発表した。オフの間には沖縄にて挙式をあげて新婚生活をスタート。4月末からは日本代表の活動が始まり、再び『戦闘モード』に突入している。

「まだまだやれる」とエネルギーをもらったリオ五輪での手応えから、さらに強くなった今シーズンのJX-ENEOSの分析、トム・ホーバスのバスケの真髄、そして結婚後の日本代表の活動について、5つのキーワードで語ってもらった。

KEY WORD[1]エースの抜けたWリーグファイナル
「私はいつでもコートに立つ」という決意

「今シーズン(2016-17)のJX-ENEOSは本当に強かったです。それと同時に思ったのが、『バスケは難しい、そして楽しい』ということ。バスケが難しいというのは毎年思うことなんですが、今までは『vs相手チーム』だったのが、今シーズンは『トム(ホーバスHC)が求めていることがどれだけできるか』にチャレンジしていたので、違った意味の難しさがありましたし、それを無敗でやり遂げたことにチャレンジの楽しさがありました」

「ファイナルはタク(渡嘉敷来夢)が体調不良の中で戦った3戦でした。これは言い方は悪いかもしれないですが、自分の場合はタクとリュウさん(吉田亜沙美)のアクシデントは想定内なんです。想定内といったらおかしいですけど、2人はケガで抜けたことがありましたが、私は今までケガで休んだことがほとんどないくらい丈夫なので、もし2人に何かあったら自分がやらなくてはと思いながら戦っています」

「逆に言うと、自分は絶対に抜けられないです。自分がコートに立てないことのほうが想定外。今までに自分が万全でなかったのは、負けた年のオールジャパン決勝(2013年)の時だけ。準々決勝で膝にケガを負いながらも出た大会でした。だから私は『いつでもコートに立つ』という思いでやっています」

KEY WORD[2]トム・ホーバスのバスケット
一つのスクリーンを大切にする緻密なチームプレーが秘訣

「シーズンを戦っていく中で、『自分たちは相当強くなった』、『これは負けないな』という手応えがありました。それはおごりではなく、個人個人が上手になったので、チームとして上達したんです。チームプレーの中で、個人としてやる仕事が上手くなった、と言えばいいでしょうか。チームプレーって、個人個人がどれだけしっかり仕事ができるか、約束事を守れるかで成立すると思うんですけど、その一人ひとりの約束事を徹底する意識が強くなったんです」

「それは、トムが常に新しいことにチャレンジさせてくれたから。トムのバスケットは特にディフェンスで変化を付けることが難しかったです。できなくて怒られて『チクショー』と思うこともあったけど、しんどいと思うことはなかった」

「トムは常に『できるかどうかわからないけれど、これをやってみよう。まずはやってみよう』と、新しいことにチャレンジさせてくれるんです。たかが一つのスクリーンだけど、それをきちんとやることが、一つのオフェンスになることをトムは教えてくれました。細かいことのつながりをきちんとやればチームプレーになり、それができるようになるとチーム全体がこれだけ上達するんだ、と痛感させられました。私もうまくなったし、若い選手もうまくなったシーズンでした」

KEY WORD[3]勝ち続けるメンタリティ
V9は毎年、毎年の積み重ねの結果。来季はV10に挑戦!

「私たちが勝ち続けたことは『結果』だと思います。トムもいつも言っていますが、『昨日より今日、今日より明日をうまくなろう』とやり続けた結果。一日一日の積み重ねですね」

「もちろん、ウチのチームはメンツが揃っていると思います。周りからしたら『それだけ揃ったら絶対に勝つでしょ』と見られるかもしれませんが、それでもやっぱり努力はしています。もちろん他のチームも努力していると思いますが、私たちも勝たなきゃいけない、連覇がかかっている中での努力をしています。プレッシャーを背負っての努力は人一倍気も遣うし、気疲れもあると私は思っていて、その中で必死にやっています」

「9連覇に関しても、必死に努力してきた積み重ねの結果が9連覇だったという感じです。だから『9連覇するぞー』という意識はなかったです。どっちかというと、10連覇を意識しています。10連覇するために9連覇が必要だった……の気持ちですね。来シーズンは10連覇を狙いますよ。やっぱりキリがいいし、チャレンジしたいじゃないですか(笑)」

KEY WORD[4]オリンピックで得たもの
「まだできる、もっとやれる」と気付かせてくれた舞台

「オリンピックでの自分のプレーに関しては、素直に『まだまだできるじゃん、まだまだ足りないな』と思いました」

「世界的に見れば、自分の身長や体形では3番プレーヤーが多いし、自分がこの身長でインサイドをやるには、もっと足を動かさないといけないし、もっと動けるだろうと痛感しました。オリンピックで自分と同じくらいの身長の選手のプレーを見て、良いイメージをもらいましたね。それは、自分ができないというマイナスイメージではなく、『もっとできるし、もっとやれる』という良いイメージです。足りないからこそ、もっといろんなことにチャレンジしたいと思いました」

「オリンピックが終わった後、モチベーションを保てるかどうかは私自身も心配したし、トムも心配していました。けれど自分は逆にオリンピックから刺激をもらって、『もっともっとやりたい』という気持ちになりました。だからリーグにはすんなり入れました。ただオールジャパンで優勝した後、一度だけ集中力が切れたんですよ。それでも後半に勝てたのは、崩れないだけのベース作りができていたことと、トムのチャレンジについていったからだと思います」

KEY WORD[5]結婚と日本代表
「ゴールが東京だったらいいな」という自然体で

「結婚をして大﨑姓になりました。大﨑佑圭としてJX-ENEOSではプレーを続けていきます。日本代表としてどこを目指すのかについてはいろいろと考えましたが、1年1年やっていこうという結論に至りました。正直、ロンドンからリオへの4年と、これから東京への3年の意味合いは全然違う。3年先かあ……と考えると疲れてしまうので、そうではなくて、1年1年やって挫折したらその時はその時。代表活動が無理になったら、その時に考えます。それでゴール地点が東京オリンピックだったらいいな、くらいの気持ちでやろうと思います」

「もちろん東京ではメダルを目指しているので、中途半端な気持ちではないです。ただ1年1年しっかりやって自分自身がレベルアップしていけるようにやりたいです。ここまで考えが行きつくには悩みましたが、決めた今は何も気張ることなく、自然体です。特に今年は若手センターが代表に増えたので、新しい刺激をもらいつつ、自分らしく頑張りたいと思います」

【リオ五輪、その後】
渡嘉敷来夢(JX-ENEOS)
すべては東京五輪のために「新しい自分に会うことがモチベーション」
栗原三佳(トヨタ自動車)
度重なるケガの試練と向き合いながら『自分の仕事』をやり切ったシーズン
髙田真希(デンソー)
『人生初』キャプテンの決意は「五輪の経験を伝えられるリーダーになる!」
本川紗奈生(シャンソン化粧品)
「自分がチームを背負う!」もがきながらもリーダーへと成長中
大﨑佑圭(JX-ENEOS)
『新婚のセンター』は自然体で「1年1年レベルアップ」に取り組む