ラプターズ

カンファレンスファイナルのバックス戦では、ヤニス・アデトクンボを素早いヘルプで自由にさせなかったように、堅いチームディフェンスが強みのラプターズ。ほぼ8人でプレータイムをシェアするようになったことで総力戦では不利となるかもしれないが、攻守ともに連携は一段階高まった。NBA優勝を知るカワイ・レナードを擁して勝負弱さを払拭。プレーオフを戦う中でチームとして新たな成長があり、それが勢いに繋がった。ついにたどり着いたファイナルの舞台で、王者と対峙する。

SF 2 カワイ・レナード

セブンティシクサーズとのGAME7で決めた歴史的ブザービーターに象徴される、抜群の勝負強さを誇るラプターズのエース。ミドルレンジも3ポイントシュートも精度が高い上に、インサイドに切り込んで得点を奪えるなど、多彩なオフェンスパターンを持つ。また、過去に2度最優秀守備選手賞を受賞しており、長いウイングスパンと大きな手を駆使して守るディフェンス力も非常に高い。リーグトップクラスの2ウェイプレーヤーは、移籍1年目にしてラプターズを変えた。

PF 43 パスカル・シアカム

今シーズンになってスターターに定着し、昨シーズンの2倍以上となる平均16.9得点を記録した若手成長株。ペイントエリアでの力強さとシュートの柔らかさが向上し、中でも外でも得点できるプレーヤーへと変貌を遂げた。ウォリアーズのグリーンと比較されることが多いように身体能力とバスケIQがうまく噛み合ったオールラウンダーで、長身ながらフットワークが軽く、ヘルプディフェンス能力に長け、ラプターズの堅守を支える。

PG 7 カイル・ラウリー

185cmと小柄なため身長のミスマッチを狙われることもあるが、当たり負けしない体格でそのマイナスを感じさせない。その身体とスピードを生かした鋭いドライブや、遠距離3ポイントシュートで得点を量産する。アンセルフィッシュで、ポイントガードとしてのゲームメークも堅実。盟友デマー・デローザンが移籍した後、『チームの顔』としてラプターズを支えてきた。

SG 14 ダニー・グリーン

3ポイントシュートとディフェンスを主な役割とする『3&D』の代表格。バックスとのカンファレンスファイナルではシュートスランプに陥り、ディフェンス面でもファウルコールに苦労したが、レギュラーシーズンではチームハイの3ポイントシュート成功率(45.5%)を誇り、ファイナルでの復調が待たれる。NBAで他を圧倒する身体能力を持つわけではないが、相手の仕掛けるタイミングを読んで合わせるディフェンスができ、ここ一番でのシュートブロックが得意。

C 33 マルク・ガソル

今シーズン途中にグリズリーズから加入した大ベテラン。センターながら柔らかいシュートタッチの持ち主で、3ポイントシュート成功率は40%と高く、『ストレッチ5』として相手ビッグマンを外に釣りだす意味でも重要な存在。2013年に最優秀守備選手賞を受賞しているようにディフェンス能力も高い。クイックネスの面で難もあるが、そこは周囲と連携してのチームディフェンスが機能。加入早々から堅守のラプターズにフィットし、その能力と経験を遺憾なく発揮している。

C 9 サージ・イバカ

センターながらペリメーターでのキャッチ&シュートを得意とし、ピック&ロールのスクリーナーもフィニッシャーもこなせる、アスレチック能力の高いビッグマン。かつて所属したサンダーでは平均3.7ブロックを記録したこともあったが、オーバーヘルプやゴールテンディングも多かった。今はスタッツこそ目立たなくなったが、より賢く、相手にとっては厄介なリムプロテクターとなった。

SG 23 フレッド・バンブリート

シュートスランプに陥ったグリーンに代わり、プレータイムが伸びたバンブリートは、バックスとの第4戦で3本中3本、第5戦で9本中7本、第6戦で5本中4本の3ポイントシュートを沈め、チームのファイナル進出に大きく貢献した。このまま好調を維持し、ファイナルでも『ラッキーボーイ』となれるか。

SF 24 ノーマン・パウエル

身体能力が高く、時折見せる豪快なダンクで会場を沸かす。レギュラーシーズン、プレーオフともに3ポイントシュート成功率は40%を超え、スターターと遜色ないプレーでセカンドユニットを牽引している。オフェンスのファーストオプションにもなれるし、停滞した時間帯に流れを変えられる存在でもある。