「若くてもベテランでも、やるべきことをやらないといけないのが代表」
『FIBA女子アジアカップ2025』は今日から決勝トーナメントが始まる。グループフェーズを2位で終えたバスケットボール女子日本代表は、準決勝進出をかけてニュージーランド代表と対戦する。
富士通レッドウェーブで皇后杯、Wリーグの二冠にも貢献した宮澤夕貴は、グループフェーズ3試合を通して堅実なプレーを披露。スタッツに残らない部分での貢献が大きく、縁の下の力持ちとしてチームを支えている。
67-79で敗れた16日のオーストラリア戦、宮澤は第4クォーター残り5分で痛恨のファウルアウトを喫し、その後チームは大きく引き離された。この試合、宮澤が出場時間の得失点でチーム唯一のプラスとなる5を記録したことが、彼女の存在の大きさを物語っていた。
チームの目指す、規律の取れたプレーを継続できずに苦しんだグループフェーズを宮澤はこう振り返る。「ディフェンスのミスとターンオーバーが課題で、自分たちから崩れてしまいました。当たり前のことができていないのが現状です。ターンオーバーの数が多く、守備ではローテーションのミスから相手にイージーシュートを打たれていました。そこを改善できれば、自分たちの得意な早いバスケに持っていけます」
今大会はコーリー・ゲインズ新ヘッドコーチのFIBA主催大会初陣で、メンバーに若手が増え、新しいスタイルを導入するなど過渡期にある。そのため連携面などまだまだ荒削りな部分があるのは致し方ない。だが、宮澤は「若くてもベテランでも、やるべきことをやらないといけないのが代表という場所です」と言い訳をしない。
「正しいチャンスをモノにできる手助けをしたい」
巧みなヘルプディフェンスが光る守備について、宮澤は次のように語る。「スクリーンに簡単に引っかかってしまうなど、守らないといけないところで簡単に穴が生まれる。私はそこのカバーを意識しています。自分のマークを見つつカバーを気にして、いつも以上に気を張っています」
オフェンスについては「自分はパスをもらってナンボの選手です」と言い、これからはもっとボールにからむことを意識したいと続ける。
「もう少し、パスをもらって自分から何かアクションを起こしていきたい。今はガードがボールを持っている時間が長いですが、自分たちもうまくパスを散らせたらガードの負担も減らせると思います。イメージとしては、今よりもうちょっとゲームコントロールに関わっていきたいです」
そして「1対1での打破でチームに貢献しようというより、流れの中でチャンスを作るところをやっていきたいです。『ここが空いている』とコミュニケーションをとって、正しいチャンスをモノにできる手助けをしたいと思います」と、重視していきたい役割を語る。
負けたら終わりのトーナメント。大きな重圧がかかる中、宮澤の攻守における潤滑油としての安定したプレーは、味方のプレッシャーを軽減させ、チームバスケットの遂行することの大きな助けとなってくる。