ケビン・デュラント

「もう育成チームではない。優勝を狙えるチームに」

現地7月6日、ケビン・デュラントを中心とする7チーム間の大型トレードが正式に決まった。現時点で今夏の移籍市場に出た最大のビッグネーム、ケビン・デュラントを獲得したロケッツは、他にもドリアン・フィニー・スミスやクリント・カペラを獲得。フレッド・バンブリートやジャバリ・スミスJr.との契約延長も含め、激戦の西カンファレンスで優勝争いができるロスターを築きつつある。

そのチーム作りを取り仕切るラファエル・ストーンGMが会見を開き、2025-26シーズンのロケッツについて「もう育成チームではない。この転換は1年前か2年前に起こり始めた。このチームが目標とすべきは、試合に勝ち、可能な限り競争力を高めることだ」と語った。

デュラントに対しては過去2年、夏のワークアウトでロケッツの若手が一緒に練習できるよう手配していたとストーンGMは明かす。「試合では誰でも全力を尽くすが、彼は練習からできる限りのスピードと強度を出し、その積み重ねで偉大な選手になった。それをウチの若手に実感してほしかった。それが彼をロケッツに来させるとは考えなかったが、良いチームを作っていればいずれ彼が関心を示すという期待はあった」

ストーンGMが期待するデュラント獲得による効果は、チームを優勝争いへと押し上げることだ。「昨シーズンは第2シードになり、プレーオフではわずかな差で敗れたが、優勝争いができるチームだった。新シーズンには本当の意味で優勝を狙えるチームになると期待している」

一方で、2021年に1巡目2位指名で獲得して以来、再建の道のりを一緒に歩んできたジェイレン・グリーンをトレードで放出した。「ジェイレンは我々が求めるすべてをやってくれた。才能と努力を兼ね備え、さらに素晴らしい人物でもある。我々は彼を非常に高く評価していたから、決断は困難だった。しかし、NBAで何かを得るには何かを手離さなければいけない」

グリーンにもディロン・ブルックスにも愛着があり、手放したくはなかった。それでもデュラント獲得のチャンスが巡ってきた時に、ストーンGMは迷わなかった。新シーズン開幕時点でデュラントは37歳になるが「プレーに衰えは見られない。昨シーズンは62試合にしか出場していないが、我々の選手層は厚く、彼がプレーできない時には他の選手がステップアップする」と気にしていない。

また、2022年の1巡目20位で指名したフォワードのキャム・ウィットモアを2巡目指名権2つとのトレードでウィザーズへと放出。将来性のある20歳をわずかな対価で手放すことになったが、ストーンGMは「彼を評価していないわけではなく、むしろその逆だ。20位で指名できたが、トップ5に入るべき才能だ。ミスをしてもプレーを続けられる環境が若手には必要だが、もう育成チームではない我々は彼にその機会を与えられなかった」と説明した。

ストーンGMがフリーエージェント市場が一段落したこのタイミングで会見に応じたのは、ロケッツのチーム作りがほぼ完了となったからだ。「このメンバーに満足している」と彼は胸を張り、「概ね現時点のロスターで開幕を迎えることになるだろう」と語った。