
「責任感とリーダーシップを持たないといけない」
7月6日、バスケットボール男子代表は、オランダ代表との『日本生命カップ2025』第2戦に74-53で快勝。第1戦で70-78と敗れた雪辱を果たした。
この日の男子代表は、序盤にリードを奪うも途中で途中で失速した第1戦とは違い、最後まで主導権を握り続けた。この手堅い試合運びに貢献したのが、チーム最多27分16秒のプレータイムを記録した金近廉だ。
金近は、前日の試合で右足首を捻挫し欠場した吉井裕鷹に代わってスタメン起用されると、8得点、3アシスト、2リバウンド、1スティール、1ブロックを記録。持ち味の3ポイントシュートに加え、タフなディフェンスでも貢献した。
今回のメンバーは代表経験の少ない若手が多く、トム・ホーバスのスタイルを習得している途中だ。その中で代表常連の金近は、シューターとしての役割をしっかりと遂行し、安定感のあるプレーが目立っていた。本人は、この2試合での収穫と課題について、次のように語っている。
「昨日も今日も前半は良かったですが、後半、自分の中で少し失速してしまったところがありました。ただ、1試合目が9得点、2試合目が8得点と、ある程度は役割である3ポイントシュートを決めることができました。今日はインサイドの合わせでも得点を取り、アシストも3つありました。このように僕の動きからチームメートがフリーになる場面をもっと作っていければ、もっとチームに貢献できます。そこは良かったと思います」
2試合とも、金近の3ポイントシュートは7本中2本成功。成功率は高くなかったが、打てるチャンスでしっかりと打ち切り、2試合ともに7本と多くの試投数を記録したのはポジティブな要素だ。「確率はもっと上げていきたいですが、チームメートが僕の役割を理解してくれていて、パスを供給してくれました。そのおかげで本数が打てていると思います」と、周囲との連携に手応えを感じている。
また、ディフェンスでもアグレッシブなプレーに加え、ハドルで積極的に声を出していく姿が目立った。そこには、「最終的に大会のメンバーには選ばれていなくとも、2年以上は代表に入っています。後輩も増えてきた中で、責任感とリーダーシップを持たないといけないです」と意識の変化がある。
2023年2月の『FIBAワールドカップアジア予選』で代表デビューを果たした金近だが、本人も語るように、ここまでワールドカップ、アジアカップ予選の出場にとどまり、大きな大会でのプレー経験はない。だからこそ8月に開催される『FIBAアジアカップ2025』の出場へ向けて、「サマーリーグに出場するメンバーが戻ってきても負けないように、強化試合の1試合1試合を大事にしていかないといけないです。12名のメンバーに残る強い意識を持っていきたいです」と意気込む。
そして、大会メンバーに選ばれるだけでなく「しっかりとローテーションに入って試合に出られるように、もっと確率を上げて自信を持って、自分からアクションを起こしてシュートを打っていきたいです」と、主力の一員としてコートに立つことに貪欲だ。