「もう一段階、チームとして上げられたのかな」
4月29日、川崎ブレイブサンダースはホームでの横浜ビー・コルセアーズ戦に96-75と快勝。前日(92-63)に続き、同じ神奈川県を本拠地とするチーム相手に危なげない勝利を収めた。
現在、リーグ最高勝率の川崎だが、4月14日には富山グラウジーズに80-83、4月23日にはサンロッカーズ渋谷に71-84と、2節続けてこれまで負けなしだった同地区相手に敗れていた。それだけに現在、横浜がリーグ下位に沈んでいるとはいえ、ここでしっかりと2連勝できたことは大きな意味を持つ。それは主将を務める司令塔、篠山竜青の試合後のコメントからも明らかだ。
「本当に先週、先々週となかなか良いプレーができていなかったので、今週はチャンピオンシップに向けてもう1回エナジーを出していこうという話をしました。そして昨日、今日に関してはリードを保ったまま、40分間集中したプレーが出せたと思います。もう一段階、チームとして上げられたのかなという手応えのある2勝となりました」
そして内容については、2試合連続で90点以上の大量点を奪ってはいるが、「得点は取れましたけど、まだまだ改善の余地があります」と振り返り、守備こそが連勝の要因だと見ている。
「今週に関しては失点を抑えられました。川村選手のところを長谷川(技)、栗原(貴宏)さん、野本(建吾)としつこくマークできたので、その部分の手応えはありました」
こう篠山が語るように、横浜のエースである川村卓也を昨日は7得点、今日も6得点と、先々週、先週と4試合連続で19得点以上をマークしていたスコアラーをしっかり抑えた。特に彼の持ち味である3ポイントシュートを2試合合計で計3本しか打たせなかった点が光る。
「チャンピオンシップにつながる戦い方をしないと」
今節での連勝により、川崎は横浜との神奈川ダービーを8戦全勝で締めくくった。これまではリーグが異なったが、Bリーグ誕生によってようやく実現した対決。横浜出身の篠山にとって、神奈川ダービーはどんな思いがあったのだろうか。
「率直な感想を言うと、横浜のブースターさんが熱いということがまずあります。そして、横浜出身なので、(横浜のホームゲームで)なにかお帰りなさい的なものがあるのかなと、勝手にちょっと期待していたんですが、そういうことが全くなかったのには寂しさがありました」と冗談交じりに語る。そして「神奈川ダービーはお客さんもたくさん入りますし、これからも刺激しあって、神奈川のバスケを盛り上げていきたい」と続けている。
川崎が連勝した一方、この日、1ゲーム差で川崎を追っていたシーホース三河、栃木ブレックスが揃って敗戦。これで最高勝率でのチャンピオンシップ第1シードに川崎はまた一歩前進したが、篠山に気の緩みはない。
「ロッカーでその情報を聞いて、少し『オッ』という感じにはなりましたが、まずは残り3試合、結果はもちろん内容的にもチャンピオンシップにつながる戦い方をしないといけないです。そこは緊張感をしっかり保ったまま望んでいきたいです」
「今日に関しては、ミスが大きな傷にはなりませんでした。しかし、チャンピオンシップでは、大事故になりかねないミスもありました。まだまだの部分の方が多いです」
今節はライアン・スパングラーも先発に復帰し、篠山、辻、長谷川、スパングラー、ファジーカスと久しぶりに川崎にとってベストといえるシーズン当初の先発メンバーでスタートをきることができた。このように川崎は、着実にチーム力を高めながらチャンピオンシップに向かっている印象だ。しかし、わずかな慢心が大きな隙となりかねないことを熟知している主将は、最期まで手綱を緩めずにチームを牽引していく。
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