「どんな瞬間だって恐れない。楽しむだけ」
バックスとラプターズによる、東カンファレンスファイナル第5戦は、カワイ・レナードが第4クォーターに15得点を固めたラプターズが105-99で勝利した。
3点ビハインドで最終クォーターを迎えたラプターズは、エースのレナードにボールを集め続けた。スクリーンでビッグマンのブルック・ロペスとマッチアップする状況を作ったレナードは、スピードのミスマッチからドライブを警戒する相手の裏をかき、2本連続で3ポイントシュートを沈めた。また、マークマンが自分に寄った時には無理をせずパスをさばくことでズレを作り、的確な状況判断で味方のシュートをお膳立てするなど、オフェンスを牽引した。
一方、バックスのエース、ヤニス・アデトクンボは第3クォーターまでで18得点を挙げ、一つもミスをしなかったが、大事な最終クォーターで失速した。レナードにパスカットされ速攻を許し、得意のランニングプレーでもマルク・ガソルの好守備に阻まれボールを失った。自らのミスを挽回しようとすぐさま戻り、レイアップをブロックするも、そのこぼれ球をパスカル・シアカムに押し込まれるなど、失点に直結するミスを連続で犯した。こうしたアデトクンボのミスから0-10と走られ、ラプターズに主導権を渡した。
残り34秒、ガソルのフリースローで3点をリードしたラプターズは、シアカムが強烈なプレッシャーを与え、マルコム・ブログドンのターンオーバーを誘発し、ポゼッションを獲得。残り時間を考え、パスカットを狙いつつ、ファウルゲームを仕掛けるバックスだったが、カイル・ラウリーへのファウルがコールされず万事休す。がら空きとなったペイントエリアでボールを受けたシアカムがダンクを見舞い、勝負アリとなった。
PUT 'EM AWAY, P! pic.twitter.com/xzFXqY8w15
— Toronto Raptors (@Raptors) 2019年5月24日
35得点中15得点を最終クォーターに固めたレナードは「どんな瞬間だって恐れない。楽しむだけ」と、クラッチタイムのプレーの秘訣を明かした。
「このために、夏に練習してきたんだ。ただシュートを打つ、という意識でやっている。自分のスポットを取ること、チームの勝利に貢献すること。自分が点を決めるか、チームメートのオープンなシュート機会を作るかはどちらでもよくて、アグレッシブにプレーすることが大事。どんな状況になっても、及び腰にはならない」
また試合直後のコート上でのインタビューでは「チームで素晴らしいオフェンスリバウンドが取れた」と話し、オフェンスリバウンドを勝因に挙げた。
レナードが言うように、特に最終クォーターのラプターズはオフェンスリバウンドを得点につなげるシーンが多々見られた。2度のオフェンスリバウンドをガソルの3ポイントシュートにつなげ、レナードも自分で放った3ポイントシュートを自らリバウンドし、フリースローに繋げるなど、セカンドチャンスポイントが勝敗を分けたと言っても過言ではない。残り34秒でガソルが決めたフリースローも、ガソルがリバウンド争いに絡んだことから生まれたものだった。
今日の勝利でラプターズは3勝2敗とし、クラブ史上初となるファイナル進出へ王手をかけた。第6戦は26日、ラプターズのホームで行われる。