ターナー「僕らが彼からディフェンスを引き剥がす」

ペイサーズはハイテンポなバスケを持ち味とし、3ポイントシュートを次々と決めることで爆発的な攻撃力を生み出す。だが、それはペイントエリアを攻めてのインサイドアウトが機能してこそだ。サンダーとのNBAファイナル第1戦は、相手のスモールラインナップを攻めることでペイサーズの爆発力が出て、劇的な逆転勝利に結び付いた。しかし第2戦ではセンター2枚を同時起用するビッグラインナップに対してペイントを攻められず、結果として3ポイントシュートも不発に終わった。

ヘッドコーチのリック・カーライルは「ペイントエリアは我々の生命線だ。ペイントを攻めることができている時は、ほぼ良い結果が生まれる」と語る。

最も苦戦を強いられたのはタイリース・ハリバートンだ。第3クォーターまで5得点4アシスト、ターンオーバー3つと完璧に抑え込まれた。ハリバートンは自身の不甲斐ないプレーを「ペイントエリアを固められ、そこを攻めて馬鹿げたターンオーバーをいくつかやってしまった。相手は何種類かのブリッツを使い分けてきて、僕はそれを見極めながら、ペイントエリアをどう攻めるか判断しなければいけない」と振り返る。

これに対してパスカル・シアカムは「サンダーはスワームディフェンスがすごく上手い。ファウルを避けながらアグレッシブに手を出してくる」と相手のディフェンスの良さを強調し、マイルズ・ターナーは「僕らが彼をペイントエリアに良い形で送り込めていないからだ」とハリバートンを擁護する。

この問題を第3戦までに解決すべく、彼らは映像を見て必死にアジャストを試みていることだろう。ハリバートンは「前半は外でボールを回すばかりで、第1クォーターはペイント内得点がなかった。僕らのオフェンスはインサイドからアウトサイドへ流れるべきもので、もっと上手くドライブでペイントを攻めて相手を崩し、そこからチャンスを広げていくんだ」と語り、こう続ける。

「ペイントを攻めると5人に囲まれているような感覚になるけど、そこで上手くプレーしなきゃいけない。外でボールを回すうちにショットクロックがなくなり、そこでシュートを打っているようでは厳しい。そんな状況に何度も陥ってしまった。自分たちのペースで打ちたいんだ」

そして周囲の選手たちは、ハリバートンにすべての負担を負わせようとはしない。ターナーは「タイリースからディフェンスを引き剥がす方法はたくさんあるのに、僕らはそれを十分にやれていない。簡単ではないけど、次の試合までにできるようにするんだ」と語る。

ターナーはそれだけでなく、ディフェンスから良い流れを作れていないことも指摘した。「ディフェンスが上手くいかないことで、僕ら本来のオフェンスが出せなくなっている。相手のミスを突いてトランジションに持ち込みたいのに、逆にボールを取り損なったりファウルをしたり。まずは相手のフィジカルに負けないこと、チーム全体で協力し合うことだ」

第2戦の第4クォーターにはハンドラーをアンドリュー・ネムハードに託し、ハリバートンがオフボールで動くプレーを増やすことでオフェンスの流れが良くなった。この点を生かすこともできるし、やはり周囲がサポートを増やすことでハリバートンで勝負させることもできる。

7戦勝負のプレーオフでは、相手の出方を研究し、いかにアジャストするかの力が問われる。最初の2試合は1勝1敗と互角で、ペイサーズは敵地で1勝を挙げたことで優位に立っているとも言える。第3戦で彼らがどんなアジャストを見せるか、それにサンダーがどう対応するか。NBAファイナルはここに来て最大の盛り上がりどころを迎えようとしている。