ベンチメンバーのディフェンスでの貢献が光る
NBAファイナル第2戦は序盤からサンダーがリードし、ペイサーズがアジャストしていく第1戦と同じ展開でしたが、さすがに2試合続けての終盤の怒涛の追い上げは起こらず、サンダーが逃げ切ってシリーズを1勝1敗のタイに戻しました。
第1戦で大逆転負けを喫したサンダーはスターターこそ変更しなかったものの、ローテーションを大きく入れ替えました。第1クォーターの終盤にチェット・ホルムグレンとアイザイア・ハーテンシュタインを並べるツインタワーとし、第2クォーター前半はケンリッチ・ウィリアムスとアーロン・ウィギンズを長く起用してオールスイッチが可能なラインナップ構成を採用。ただ、極端なラインナップを使い分けているということは、ペイサーズ相手に何が効くのかを測りかねているということです。
ペイサーズはツインタワーに対して両コーナーまでボールを幅広く動かすオフェンスで得点を生み出していきましたが、オールスイッチの体制にされるとオープンショットのチャンスを作れず、急に苦しくなっていきました。1on1でもストップする対人ディフェンスに、チーム全体のヘルプディフェンスの強さも合わさり、前半のペイサーズは41得点に抑え込まれました。
ハーフタイムで第1戦同様に修正してきたペイサーズは、第3クォーターに33得点を奪いますが、今度はオフェンスで対抗したサンダーが34得点で点差を広げます。いつも通りにフェイダウェイミドルを次々に決めて34得点のシェイ・ギルシャス・アレクサンダーに加えて、3ポイントシュートを5本を決めたウィギンズの活躍で最大23点差までリードを広げて試合を決めました。
ウィギンズは20分間のプレーで得失点差が+24、ケンリッチは得点がなかったにもかかわらず7分間で得失点差+15と、ベンチメンバーのディフェンスでの働きがサンダーのリードを作り上げました。サンダーにとってベンチメンバーは強みですが、この2人は第1戦ではプレータイムが短く、起用法の変更が上手くいった形です。
ペイサーズはタイリース・ハリバートンが17得点6アシストを記録するも、ターンオーバーが5つと苦しみました。またウィギンズとのマッチアップで苦しんだパスカル・シアカムもフィールドゴールは11本中3本しか決まらず、両エースが機能しなかったことで得意のハイスコアゲームに持ち込めませんでした。
ベンチの層の厚さは両チームの特徴ですが、ベンチメンバーで違いを作ってアドバンテージを奪うサンダーと、ベンチメンバーでスタミナロスを避けてスターターが違いを作るペイサーズと、その戦い方には違いがあります。この第2戦はサンダーにとっては理想的な試合展開となりましたが、第3戦以降も同じ展開を作れるわけではありません。今度はペイサーズが何を仕掛けてくるかが試合展開を左右してきます。