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ジェームズ・ハーデンに自由を与えぬディフェンス

敵地で2敗を喫したサンダーだが、ホームで地元ファンの後押しを受けられる第3戦では、序盤から主導権を握った。

最初のディフェンスで、アンドレ・ロバーソンがトレバー・アリーザをブロックし24秒バイオレーションを誘発。ロケッツのエース、ジェームズ・ハーデンにはダブルチームやスイッチディフェンスでプレッシャーをかけ続け、自由にプレーをさせない。ハーデンはボールを持ちすぎてターンオーバーを連発する『らしく』ない立ち上がりとなった。

11-2とサンダーが走ったところで、ロケッツはタイムアウトを要請し立て直しを図るも、点差を保つのが精一杯だった。

第2クォーターに入るとハーデンがシンプルにパスをさばくことでリズムを作り始めるが、ウェストブルックのコースト・トゥ・コーストや、タージ・ギブソンの精度の高いインサイドプレーでサンダーが上回る。フル回転のウェストブルックが、前半だけで14得点8アシスト7リバウンドとトリプル・ダブル級の働きを見せ、65-58とリードして前半を折り返した。

伏兵アダムズのビッグプレーが勝利の決定打に

だが後半の立ち上がり、リーグ2位のオフェンス力を発揮しロケッツが反撃する。守備を引き締めてタフショットを打たせ、アリーザの3ポイントプレー、ハーデンの3本のフリースロー、3ポイントシュートで9-0と走り、後半開始から1分40秒で初のリードを奪った。

それでもサンダーはここで踏みとどまり、ウェストブルックがトランジションに活路を見いだす。拮抗した展開からロバーソン、アレックス・アブリネスの連続3ポイントシュートをお膳立てし、残り3分半の時点で86-76と再びリードを2桁に乗せ、そのまま10点をリードして最終クォーターを迎えた。

第4クォーター、追うロケッツの流れを要所でウェストブルックが断ち切り、ディフェンスをつないできたサンダーだが、終盤に入りウェストブルックの失速とともにロケッツが猛追する。残り53秒、ウェストブルックがフリースローを1本外し、ダブルスクリーンから一瞬の隙を突いたハーデンに3ポイントシュートを決められ、111-111の同点とされた。

直後のサンダーのポゼッション、ウェストブルックが遠めの位置から3ポイントシュートを狙うが、これがリングに嫌われてしまう。だが、ここでスティーブン・アダムズがリバウンド争いからティップでボールを押し込む。このビッグプレーでサンダーが残り35秒で再びリードした。

ウェストブルックはチームメートの働きを称える

その後、ファウルゲームでウェストブルックが4本のフリースローのうち2本を外し、付け入る隙を与えてしまうも、逆転を狙ったハーデンの3ポイントシュートが落ち、115-113でサンダーが逃げ切った。

ウェストブルックが32得点13リバウンド11アシストと、プレーオフで初の2試合連続トリプル・ダブルを達成した。

ウェストブルックは「48分間を通してチームメートを信頼する中で、自分はこれまで以上に良い判断をしなければと考えていた。今日はみんなが良いプレーを続けてくれた。これこぞ自分が求めていることだ」と語る。

13本中10本のシュートを決め20得点を挙げ、さらにはハーデンのピック&ロールにスイッチで食らい付きプレッシャーを与えたタージ・ギブソンや、そして勝利の決定打となったアダムズのティップなど、チームメートの働きは大きかった。

敗れたロケッツはハーデンがゲームハイの44得点を挙げるも、7ターンオーバーで先行を許すきっかけを作り、ラストショットを決められなかった。

これで対戦成績を1勝2敗としたサンダー。MVP争いを演じ、プレーオフでも超人的なプレーを見せるウェストブルックとハーデンの戦いはまだまだ続く。