「自分は結構、先輩にもちょっかいをかけるタイプ」
バスケットボール女子日本代表は5月20日から7月のFIBA女子アジアカップ2025に向けた第1次強化合宿に入った。コーリー・ゲインズが新たなヘッドコーチになって初の代表合宿は、2028年のロスオリンピックに向けたチーム作りの第一歩であり、ベテランから若手まで幅広い年代から選手が招集されている。
その最年少となるのが19歳の田中こころだ。桜花学園時代から世代屈指のスコアリングガードとして活躍してきた田中は、昨年のU18女子アジアカップで平均19.0得点、3.2アシストを記録して大会ベスト5に選出された。ENEOSサンフラワーズでも高卒1年目から出場機会をつかみ取っている。
田中は代表候補入りについて「素直にうれしかったです」と語るとともに、「やっぱり1次合宿に呼んでもらったからには、2次合宿にも呼ばれたいですし、もっと頑張らないといけない」と、アジアカップ本大会メンバー入りへも意欲を見せる。
非凡なスキルとともに田中の大きな特徴となるのは、コート内だけでなくコート外でも物怖じしない性格で、自ら周りと積極的にコミュニケーションを取っていけること。最初こそ「スター選手がたくさんいて、顔合わせの時はすごく緊張しました」と語るも、すでにすっかりチームに馴染んでいる様子だ。
「今日が終わっていろいろな方とお話しをして、緊張は全然していません。自分は結構、先輩にもちょっかいをかけるタイプで、ルイさん(町田瑠唯)、アースさん(宮澤夕貴)、タクさん(渡嘉敷来夢)にも話しに行きました。皆さん、受け入れてくれる先輩たちばかりなのでやりやすいです」
また、「コーリーからも『遠慮せず、先輩方に対して思いっきりやるのがリスペクト』と言ってもらえています。それをしっかりと受け止めてできたらと思っています」と、コート内外で自分をしっかりと主張していく。
ENEOSでの田中は、主にシューティングガードでプレーしていたが、今回の合宿ではポイントガードを務める。持ち味である突破力を生かしてアタックを仕掛け、アップテンポな展開を作り出すプレーが期待される中、「ポイントガードをやる上で、パスの部分とかを見られると思いますが、パスだけでなく、シュートもあるよと見せていきたい。空いたらシュートを狙うことは、この合宿を通してやりたいです」と、得点力もアピールするつもりだ。
「コーリーのバスケットも自分に合っているのでやりやすい」と好感触を得ている田中には、過酷なサバイバルレースを勝ち残り、日本代表に新たな刺激をもたらすことを期待したい。