グリズリーズからは過小評価を覆した2人が選出
現地5月20日、NBAオールルーキーチームが発表された。ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いたスパーズのステフォン・キャッスルは、満票での選出となった。これにザッカリー・リザシェイ(ホークス)、ジェイレン・ウェルズとザック・イディー(グリズリーズ)、アレックス・サー(ウィザーズ)が続いた。
2024年のNBAドラフト組は、ビクター・ウェンバニャマがいた一昨年、クーパー・フラッグの今年と比べて小粒と言われた。それでも、スター選手の現役寿命が延びて40歳になったレブロン・ジェームズなど多くのスター選手が『大ベテラン』になっても活躍し続けるNBAにおいて、フレッシュな存在感を放った。スパーズのポイントガードには『大ベテラン』のクリス・ポールがいて、キャッスルはシーズン序盤はベンチスタートだったが、NBAのリズムに慣れたところでポールと組んで先発出場するようになり、シーズンを通して平均14.7得点、3.7リバウンド、4.1アシストを記録した。
ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞した時の会見でキャッスルはこう語っている。「NBAでプレーすること自体、僕にとっては夢の実現を意味していた。だから、この喜びを言葉で表現するのは難しい。スパーズの仲間たちは僕がプレーしやすい環境を作ってくれた。僕は自由に、思い切ってプレーするだけで良かった。調子の良い時もそうでない時も最大限にサポートしてくれた。1年前まではただの子供だったけど、今は違うと感じている。挑戦する立場から逃げることなく、みんなの期待に応えたい。冷静さと謙虚さを保ち、これまでのように努力を積み重ねていくつもりだ」
シーズン序盤のキャッスルは目立たなかったし、1位指名選手のリザシェイもNBAへの順応に苦労した。セブンティシクサーズのジャレッド・マケインが、主力にケガ人が相次ぐチームを支える活躍を見せていたが、12月に左膝半月板断裂のケガで戦線離脱。その後にキャッスルとリザシェイがチームにフィットして頭角を現すこととなった。
グリズリーズはオールルーキーファーストチームに2人を送り込んだが、イディーは1巡目9位指名で、ウェルズは2巡目39位指名と、過小評価を覆しての受賞となった。イディーは高さと強さはあっても俊敏さもスキルも足りない『時代遅れのビッグマン』と見なされていたが、決して器用ではなくてもハードワークを貫くことで十分な戦力となった。ウェルズは2巡目指名でほとんど注目されていなかったが、サマーリーグとプレシーズンで結果を残し、シーズンを通して主力を務め上げた。
2024-25シーズンのNBAオールルーキーチームは次の通り。
NBAオールルーキーファーストチーム
ステフォン・キャッスル(スパーズ)
ザッカリー・リザシェイ(ホークス)
ジェイレン・ウェルズ(グリズリーズ)
ザック・イディー(グリズリーズ)
アレックス・サー(ウィザーズ)
NBAオールルーキーセカンドチーム
ケレル・ウェア(ヒート)
マタス・ブゼリス(ブルズ)
イブ・ミッシ(ペリカンズ)
ドノバン・クリンガン(トレイルブレイザーズ)
バブ・キャリントン(ウィザーズ)