ギャビン・エドワーズ

シュートが決まらない第1クォーターを耐えて波に乗る

宇都宮ブレックスvs千葉ジェッツのゲーム3は、ホームの宇都宮が『お家芸』とも言うべきチームディフェンスで千葉Jにリズムを作らせず、82-71の快勝で3年ぶりのファイナルズ進出を決めた。

3日連続の試合でも、宇都宮はティップオフからディフェンスに最大限のエネルギーを注いだ。千葉Jのやりたいプレーを先回りして潰しつつ、オフボールスクリーンに対しても意思疎通の取れたスイッチでズレを作らせない。こうして千葉Jがボールを止めた瞬間に、あちこちから手を伸ばしてターンオーバーを誘う。遠藤祐亮と比江島慎がトーンを設定し、高島紳司と小川敦也がそれを引き継ぐことで、3戦目とは思えない強度の高いディフェンスを継続させた。

苦しい千葉Jを支えたのは田代直希のハッスルだった。田代が飛び込んで奪ったオフェンスリバウンド2本がクリストファー・スミスと富樫勇樹の3ポイントシュートに繋がり流れを引き寄せる。千葉Jはオフェンスの富樫に続き、ディフェンスは渡邊雄太が立て直し、15-13と逆転して第1クォーターを終えた。

宇都宮は3ポイントシュートが4本放って1本も決まらず、フリースローも9本中成功わずか3本と壊滅的な出来だったが、あくまでディフェンスにフォーカスするのがブレックスらしさ。第2クォーターにシュートが当たり始めると、宇都宮に大きな流れが来た。グラント・ジェレットが3ポイントシュート2本成功を含むフィールドゴール4本にフリースローも2本すべて決めるパーフェクトで12得点を叩き出したのを筆頭に、チームとしても3ポイントシュートが6本中4本成功、フリースローも6本すべて成功と持ち直す。ディフェンスの集中も切らさず、前半で千葉Jから17ものターンオーバーを引き出した。

後半、千葉Jはこれまでセカンドユニットにしてプレータイムを制限してきた富樫と渡邊をスタートに据えて巻き返しを図る。それでも宇都宮はディフェンスの集中を切らさず、主力を休ませる時間帯もセカンドユニットがむしろ強度を高めるプレーを見せた。

千葉Jも7点差、6点差と詰め寄るも、そのたびにジェレットが突き放す得点を決める。残り3分半に比江島がマイケル・オウの正面から3ポイントシュートをねじ込んで12点差に。終盤は両チームとも疲労困憊の状況で、最後までエネルギーで上回った宇都宮がリードを守り切った。

ジェレットが27得点、ギャビン・エドワーズが21得点を記録。D.J・ニュービルは得点こそ10と伸びなかったが、攻めの起点として千葉Jの様々な仕掛けを難なくかわす巧みなプレーメークで勝利に貢献した。千葉Jは2ポゼッション差まで追い上げる奮闘を見せたが、チームのターンオーバーが24と、試合を通して宇都宮のディフェンスに苦しんだ。