ストローサーとマレーの爆発でナゲッツが勢いに乗る
ナゲッツが119-107でサンダーを破り、『事実上のファイナル』との呼び声が高いシリーズは『GAME7』へともつれた。
現地5月15日にデンバーで行われた第6戦は、第1クォーターにナゲッツが先手を取り、第2クォーターにサンダーが巻き返し、第3クォーターはリードチェンジを繰り返す大混戦となった。それでも第3クォーター残り2分で同点の場面から、ナゲッツが10-0のランで抜け出すと、第4クォーターには危ない場面を作りながらもリードを保って逃げ切った。
勝敗の決め手となった10-0のランは、ジュリアン・ストローサーとジャマール・マレーの5得点によるもの。コンディションに難はあってもプレーオフでは勝負強さを発揮するマレーの活躍は驚きではないが、ナゲッツの弱点とされていたベンチメンバーで2年目のストローサーの活躍はうれしいサプライズだった。
マレーはストローサーの活躍をこう称える。「ジュリアンの才能はみんな理解している。ただコートに出てリズムをつかむ必要があるだけだ。大事な場面でそのリズムをつかんでくれた。今日は彼のエネルギーが試合の流れを作ったと思う。彼がきっかけを作り、観客を含む僕らみんながその波に乗った」
第4クォーター残り4分、ナゲッツがこの日最大の16点リードを奪い、猛追するサンダーの勢いを断ち切ったのもストローサーの3ポイントシュートだった。「何も覚えてない。その瞬間を仲間たちと共有したくて、みんな興奮してて、サンダーがタイムアウトを取ったよね。それが僕の覚えているすべてだ」と彼は笑う。
「でも、ホームゲームで全員がチームとして団結し、この試合を乗り切ることができて本当に良かった。すべてのエネルギーを試合にぶつけて、全員ほぼ空っぽだよ」
プレーオフでは出場機会に恵まれなかったストローサーだが、この試合では20分の出場で15得点2リバウンドを記録した。ペイトン・ワトソンとラッセル・ウェストブルックも、ミスは多かったがコートに立った時間は100%のエネルギーを出し、8人ローテでこの3人のベンチメンバーがチームを支えた。
もっとも、ヨキッチは29得点14リバウンド8アシストとスタッツを残しているが、サンダーの執拗なディフェンスに苦戦し続けており、マレーは体調不良で試合開始直前までプレーできるかどうか分からなかった。試合終盤にはアーロン・ゴードンがハムストリングを痛めており、選手層に課題を抱えるチームがクリッパーズとのシリーズに続いて『GAME7』を戦う負担は大きい。
ヨキッチは「次の試合まで中2日あるから気分的に楽だ。少し休んで体調を整えられる」と言い、こう続けた。「結局は、ディフェンスの細部をどれだけ徹底できるか、どれだけリバウンドを取れるかの勝負になる。サンダーはペースを上げて、ドライブしてキックしてワイドオープンを作りたい。僕らはもっとスローなゲーム展開を望んでいる。ディフェンス、ボックスアウト、ターンオーバーといった要素が展開を決めるだろう。チャンスを作るやり方が異なるから、見ていて楽しい試合になるんじゃないかな」
敵地で迎える『GAME7』だが、マレーには臆するところがない。「僕らがさらに結束し、信頼関係を強める良い機会になるよ。観客は盛り上がり、アリーナにはエネルギーが満ちて、きっと楽しくなる。僕らには2日間の休養とジョーカー(ヨキッチ)が味方についてくれる。早く『GAME7』を戦いたい。そこでシリーズに決着を付けるんだ」