文・写真=鈴木栄一

ハーフタイムで守備を修正、第3クォーターで決めた!

4月15日、栃木ブレックスがレバンガ北海道と対戦。シュート確率が低調など苦しむ部分もあった栃木だが、オフェンスリバウンド21本が示すように強力インサイド陣が今日も本領発揮でゴール下を支配し、78-68で勝利。この日、東地区2位のアルバルク東京が敗れたことで、激戦の東地区制覇へマジック4とさらに前進している。

前半は栃木の40-35というスコアが示すように互角の内容だった。しかし、第3クォーターに試合が大きく動く。栃木はライアン・ロシター、田臥勇太のシュートなどで確実に得点を重ね、守備でも「レバンガは他のチームがなかなかやらないスクリーンの使い方をしてきます」と竹内公輔が話し、前半は対応に苦しんでいた部分を、ハーフタイムでしっかり修正。その結果、このクォーターで21-11と大差をつけ、リードを大きく広げた。

第4クォーターに入っても栃木のペースは続き、残り約8分で66-46と大差が付く。ここから北海道も意地を見せて追い上げるが、20点差は余りに大きく、栃木が78-68で逃げ切った。

この試合、勝敗を分けた一番の要素はやはり栃木のオフェンスリバウンドだった。栃木のトーマス・ウィスマンヘッドコーチは、「シュートの確率が悪くても(39.7%)試合に勝つことができたのはオフェンスリバウンドをしっかり取ることができたからです。41本ミスショットがあった中、その約半分(21本)を自分たちのボールにすることができました」と語る。

また、北海道の水野宏太ヘッドコーチも「リバウンドをここまで簡単にとられすぎてしまうとなかなかゲームは作れない。オフェンスリバウンドを21本取られてしまう。相手にこれだけ攻撃回数を与えると、この結果になることは、戦う前から分かっていた部分で、対策を準備していましたが、今日はそれを出すことができなかった」と振り返る。

快勝にも指揮官は「最低限やるべきことはやったが……」

ただ、オフェンスリバウンドの数については高評価のウィスマンヘッドコーチだが、他の点については厳しいコメントが続いた試合後だった。

「勝つことができたという点では最低限、やるべきことをやったと思いますが、試合の終わり方については満足していないです。シーズン序盤も同じような問題がありました。途中で集中力が切れてしまって、一度作ったリードを詰められてしまう。チャンピオンシップが間近に迫っている中で、こういうことを起こしてはいけない」

「ディフェンス面ではプライドを持ちリーグでトップの守備を見せていますが、オフェンス面ではシュート確率が上がってこない。今日も40%以下(39.7%)でした。そこを40%以上に上げていくことが必要です。北海道のようにショットブロックを狙ってくるチームに対し、フィッシュが弱くなってしまうことが課題です」

「チーム全体で21本のオフェンスリバウンドを取れましたが、ディフェンスリバウンドではもっと改善していく。相手に13本のオフェンスリバウンドを取られましたが、これは相手のミスショットの内の35%にあたります。ここを確率としては20%以下、数字としては6本か7本に抑えるように、ディフェンス面ではよりボックアウトをしっかりし、オフェンス面ではショットクロックに対して賢く強くシュートを決める必要があります」

一矢報いたい北海道「やろうとしていることは形に」

敗れたとはいえ、北海道も結果的にだが、崩れてしまった第3クォーター以外のスコアは57-57と同点であり、明日の反撃に期待を抱かせる部分もある。水野ヘッドコーチは、「チームのアシスト数17は、やろうとしていることが形になっている表れと思っているので、そこを継続していく。また、アシストを狙うだけでなく、もっとアグレッシブにアタックし、フリースローをどうもらっていくのかも明日に向けての課題にしていきたい」と明日の第2戦への意気込みを語る。

一方、栃木も指揮官に加え、竹内が「明日も試合がありますし、ホームでああいう終わり方をしたのは良くなかったです。しかし、明日も第1クォーターからギアを入れていかないと、今日のような結果には絶対にならないと思います」と語るように、しっかりと引き締めている。

これで両チームの対戦成績は栃木の5勝0敗に。このまま栃木が今シーズン6度の対戦を全勝とするか、北海道が一矢を報いるのか。明日の試合がより楽しみとなってくる終わり方ではあった。