ザック・ラビーン

キャバリアーズに快勝、プレーオフ進出へ大きな1勝

キングスはレギュラーシーズン終盤にアウェー6連戦という正念場を迎えている。現地3月29日のマジック戦から、ペイサーズ、ウィザーズと3連敗を喫したが、その後にホーネッツに勝利。暫定ヘッドコーチを務めるダグ・クリスティは「士気が下がる敗戦が続き、チームがバラバラになってもおかしくなかった。そんな時に団結して立ち上がった選手たちに敬意を表する」と語った。

現地6日にはキャバリアーズと対戦。ホーネッツはすでに目標を失った下位チームだったが、今度は東カンファレンス首位を走る強敵が相手で苦戦が予想される中、キングスは持ち前のハードワークでディフェンスから流れを作り、キャブズ相手に接戦に持ち込む。第3クォーター終盤に最大14点のリードを奪い、第4クォーター開始4分で逆転を許すアップダウンの激しい展開となったが、ここでもキングスの選手たちはクリスティの言う『団結し、立ち上がる』を実践した。

疲れから落ちていたディフェンスの強度をもう一度引き上げる。キャブズの猛反撃を主導したのはシックスマンのタイ・ジェロームだったが、クラッチタイムに彼が下がったことで脅威は去った。キングスが再び堅守から流れをつかみ、デマー・デローザンとザック・ラビーンの得点能力に賭ける。2人はその期待に応えてクラッチタイムに得点を重ね、120-113で競り勝った。

キングスは選手層に厚みがない上にキーガン・マレーが背中の痛みで欠場しており、先発の5人全員が40分以上プレーした。ラビーンは最長の42分コートに立ち、3ポイントシュート7本成功を含むフィールドゴール21本中15本成功を記録。タフショットを打たざるを得ないシーンも何度かあったが、それまでねじ込む集中力が光った。

7シーズン半プレーしたブルズでは、ケガも多くて好不調の波が激しく、チームを勝たせられずにプレーヤーとしての評価を落としていたが、今シーズン途中のキングス移籍が再評価のきっかけとなった。今シーズンの3ポイントシュート成功率は43.4%とリーグ屈指の精度を誇るが、ラビーンは外だけでなく中でも得点できる。この日のフィールドゴール成功率の高さは、ペイントエリアで放ったシュート7本をすべて決めたことが大きい。

このところキングスのオフェンスは速い展開が増え、それがラビーンにハマっている。「ゆっくりした展開で攻めるなら狙うのはフリースローになるし、速い展開になれば、ウチは3ポイントシュートの多いチームではないけど、それでも今日みたいに良い確率でシュートを決めることができる」とラビーンは言い、「遅い展開は今の僕らのアイデンティティではない。僕らはそれを理解し始めている」と続けた。

もっとも、速い展開はキングス自慢のハードワークによる守備が機能して初めて生まれるもの。クリスティはこの試合の勝因を「16回のターンオーバーから37得点を奪ったことだ」と言う。キングスも14回のターンオーバーを喫しているが、そこからの失点は21のみ。ターンオーバーを許してもイージーバスケットを与えない、その一方で相手のターンオーバーを高確率で得点に繋げるバスケができており、そのフィニッシャーとしてラビーンが輝いた。

「試合開始から激しく戦ったことが、良い結果に繋がった」とラビーンは言う。「今回の遠征は大変だけど、目の前の試合に集中してベストを尽くしていく。今日は良い試合ができた。この調子で進んでいきたい」