30得点のバンケロ「このレベルの集中力を維持する」

ケガから復帰したばかりの選手と疲労が蓄積している選手ばかりのレイカーズは、メンバーは揃っても本来の力を発揮できていない。レブロン・ジェームズと八村塁が復帰したものの、ブルズのスピードに振り回されたのに続き、マジックの堅守とハードワークに圧倒されて連敗となった。

レイカーズのヘッドコーチ、JJ・レディックは「少しずつは良くなっているが、疲労を抜き、リズムを取り戻す必要がある」と語る。「これだけ疲れている理由は分からないが、長いシーズンにはそういう時期がある。試合開始から激しさを出して良いスタートを切ったが、その勢いを維持できなかった」

マジックも一時期はケガと疲労で3勝8敗と失速したが、苦しい時期を抜け出したようだ。「連勝は久しぶりだね」と言うのは32得点9アシストを記録したフランツ・バグナーだ。「レイカーズ戦はいつだって注目を集めて、良い雰囲気になる。相手に勢いのある時間帯も僕たちは結束して対抗できた。良い戦い方ができたと思う」

30得点7リバウンドのパオロ・バンケロは「最初から最後までよく集中していた。僕らにとって大事な試合で、連勝できていないことも分かっていた。全員で集中し、努力できたことに感謝している」と言う。

試合が動いたのは、第3クォーター残り8分からの数分間だった。コーリー・ジョセフ、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ、ウェンデル・カーターJr.が3連続3ポイントシュートを沈めるとともに、攻撃の起点となるルカ・ドンチッチへのプレッシャーを強めてターンオーバーを引き出す。堅守から速攻への一気呵成の展開を連発し、20-6のランを見せる。こうして第3クォーターを34-18と圧倒すると、第4クォーターもディフェンスに隙を見せず、ほとんどの時間帯で2桁のリードを保ったまま118-106で勝利した。

指揮官ジャマール・モズリーは「前半のレイカーズのオフェンスを分析し、対応することができた」と語り、こう続けた。「一番の要因はファウルをせずに守ったことだ。前半には21のフリースローを与えたが、後半は7まで減らした。ファウルせずに守り切り、そこからブレイクを出せた」

バグナーは「メンタルゲームへの取り組み方を学んだ」と言う。「この数週間は良いバスケができていたのに、苦戦する試合もあった。でも、そういう時にもメンタルを良い状態に保って戦い続けることを学んだ。明日にはすぐ次の試合があって、またゼロからのスタートになる。でも、僕たちさえちゃんとしていれば、明日も同じような試合になるはずだ」

バンケロも同意する。「良い試合ができたと思うよ。どのチームと対戦しても負けないという自信になった。ここで得た手応えが、僕らのプレーの質をさらに高めるきっかけになると期待しているよ。でも、大事なのはこのレベルの集中力を維持することだ。今日は誰も気を抜いていなかったけど、明日も同じようにやらなきゃいけない」

モズリーの思考法はマジックの選手たちに完全に浸透したようだ。「我々が目指す最高のバスケに一歩近付くことができた。飛行機に乗るまではこの勝利を祝おう。そして、また気を引き締めるんだ」

会見を終えると、マジックの選手たちはそのまま空港に向かった。バック・トゥ・バック(2日連続の試合)の2試合目となるホーネッツ戦のため、すぐに移動が待ち構えていた。