ザイオン・ウイリアムソン

キャリア初のトリプル・ダブルから2週間、2回目を記録

ペリカンズはNBA30チーム中27番目の成績で、すでにプレーオフ進出の可能性はもはやない。それでもシーズン終盤を意味のあるものにして、次に繋げようと意思統一を図っている。そこで最も重要なのは、エースのザイオン・ウイリアムソンが健康を保って最後まで走りきることだ。

デビューシーズンから6年間、ザイオンはケガを繰り返して期待を裏切り続けてきた。ケガのリスクが大きすぎてもはや移籍市場に価値はなく、ペリカンズとしては何とかして彼を再生させて、これまでの努力と忍耐に見合ったパフォーマンスを発揮してもらうしかない。

また裏切られるのではないかと疑う声もあるが、コンディションに不安がなく波に乗っている時のザイオンはやはり圧倒的だ。今シーズンも左ハムストリングの肉離れで前半戦の大半を欠場したが、1月上旬に復帰してからはコンスタントに試合に出場し、上々のプレーを見せている。現地3月11日にはリーグ屈指の堅守を誇るクリッパーズを相手に、22得点10リバウンド12アシストのトリプル・ダブルを披露して、チームにシーズン18勝目をもたらした。

意外にも昨シーズンまでトリプル・ダブルは未経験だった。最初に記録したのは2月末のサンズ戦で、この時は27得点10リバウンド11アシストを記録している。それから2週間で次のトリプル・ダブルを記録できたのは、コンディションに不安がなく、継続して試合に出ることで周囲との呼吸も合ってきたからだろう。

「トリプル・ダブルは意識していなかった」とザイオンは言う。「試合が終わって初めて知ったよ。数字は気にせず、ただ自分にできるベストを尽くすつもりだった」

クリッパーズは前半早々に20点差をつけられ、後半に一度は追い付いたものの、ペリカンズの勢いに終始押されて敗れた。プレーオフ進出を目指すクリッパーズに油断があったのかもしれないが、ザイオンはそれは違うと言う。

「クリッパーズはそういうチームじゃない。どの試合でも相手を過小評価せずに、真剣に取り組むチームだよね。今回はむしろ、僕たちがハングリー精神に満ちたチームだと言うべきだ。そういう意味では、彼らより僕たちの方が勝利に飢えていた」

そのハングリー精神について「それはつまり、プロとして何を追い求めるかだ。チームでそのことについては話し合ったよ」と言う。「今シーズンは望んでいたような結果にならなかったけど、ここで良い習慣を身に着けて来シーズンに繋げたい。スカウティングレポートに集中し、チームを構築していく。そしてオフにはみんなで一緒にトレーニングをして、来シーズンが始まる時には完璧な状態にしておきたいんだ」

とはいえ、最大の懸念はザイオンのコンディションなのだが、こうして2カ月以上コンスタントにプレーをする中で、彼は少しずつ自信を高めている。「最高のプレーができているかどうか、それは僕が決めることじゃないから分からない。でも、ベストは尽くしているよ」とザイオンは語った。