グレッグ・ポポビッチ

「いずれ復帰すべく、引き続き健康に留意していく」

グレッグ・ポポビッチは昨年11月に軽い脳卒中を起こしてスパーズを離れた。12月に応援のメッセージに対する感謝とチームへの信頼を伝えるメッセージを発表した後はしばらく音沙汰がなかったが、現地2月27日にスパーズから、今シーズン中のポポビッチの復帰がないことが発表された。

その中でポポビッチは次のコメントを発表している。「ミッチ・ジョンソンと彼のスタッフは素晴らしい仕事をしており、選手たちは厳しいシーズンを一丸になって乗り越えようと強い意志とプロ意識を見せている。私はいずれコーチングに復帰すべく、引き続き健康に留意していく」

この2月27日には、11月に倒れて以来初めてポポビッチがチームを訪れ、感動的なスピーチを行ったと『ESPN』は報じている。選手たちが涙を流す中、コーチ・ポップはこれまでと変わらず皮肉とジョークを交えてチームを激励したという。

NBAのヘッドコーチとして29年目を迎えているポポビッチは、2020年の時点でNBA史上最年長のコーチとなった。当時は72歳で、今は76歳になっている。身体の健康を取り戻しても、コーチ業に復帰すれば頻繁な移動をともなう身体的な負担に加え、精神的なストレスも大きいはず。無理は禁物であり、なおかつ暫定ヘッドコーチのミッチ・ジョンソンは厳しい状況の中で良い仕事をしている。

ジョンソンは、ポポビッチとはいつも連絡を取り合っていると語る。「ポップは試合をチェックしているし、いつもと変わらず頑固で負けず嫌いで、自分の意見をストレートに言う。たくさん褒めてくれるが、同じぐらい罵られているよ」

またクリス・ポールもポポビッチから頻繁にアドバイスをもらっていると語っているし、ビクター・ウェンバニャマも肩に血栓が見つかって今シーズン終了となった後、ポポビッチから励ましのメッセージを受け取ったという。

ここまで24勝33敗、ウェンバニャマの離脱でプレーオフ進出の可能性は事実上断たれたと見ていいだろう。それでも若いチームがポポビッチというカリスマ指導者を失った後も、空中分解することなく目の前の試合に集中できているのは素晴らしいことだ。

ポポビッチは負け試合を見てストレスを溜めることもあるだろうが、ジョンソンの下で結束しているチームの戦いぶりには満足しているはず。こうして健康を取り戻し、来シーズンからサイドラインに戻って来ることを期待したい。