「ゴールデンステイトでは自由を与えられなかった」
キャバリアーズは現地23日、グリズリーズとの強豪対決に129-123で競り勝った。
この試合、キャバリアーズは1試合平均20得点以上を挙げるダリウス・ガーランドが欠場した。しかし、控えガードのタイ・ジェロームが23分の出場で26得点と大爆発。さらに第4クォーターだけで15得点を挙げる抜群の勝負強さで、チームを勝利へと導いた。
27歳のジェロームは、今シーズンここまで53試合出場で平均11.7得点、3.4アシストを記録。さらにフィールドゴール成功率52.1%、3ポイントシュート成功率43.7%、フリースロー成功率87.9%と、一流シューターの証と言われる『50-40-90』に匹敵する数字を残している。
リーグ最高勝率のキャバリアーズで主力の一員となっているジェロームだが、昨シーズンまでは度重なる故障も影響して移籍を繰り返し、安定したプレータイムを確保できない不遇の時代が続いていた。
キャバリアーズ加入前に在籍していたウォリアーズ時代とは別人のような活躍に、ケニー・アトキンソンヘッドコーチは「あるコーチは、私に『同じ選手なのかい? ゴールデンステイトでこのような選手は見なかった』と言っていたよ」と語り、「ダリウスが欠場し、彼のボールハンドリングとプレーメーキングが必要だった。彼はダリウスの役割を引き継いでくれた」とジェロームへの信頼を口にした。
ガーランドはここまで3試合に欠場しているが、その間のジェロームの成績は平均25.0得点、4.0アシスト、3.7リバウンド。しっかりと指揮官の期待に応えている。
ジェロームは、今シーズンの飛躍をもたらしている要因としてコンディションの良さを挙げる。「これまで多くのケガと戦ってきたが、今シーズンはすでにキャリアで最も多くの試合をプレーしている。だから体のケアが最も大事だ。スキルは昔から今と同じモノを持っていて、フィジカル面はより強くなった。あとはタイミングがハマって、うまく行くことがあるね」
ジェロームは、現在とウォリアーズ時代との違いについて「ゴールデンステイトでは自由を与えられなかった」と振り返るが、キャバリアーズでは指揮官だけでなく、チーム全員がジェロームの力を信じている。大黒柱ドノバン・ミッチェルは「これがタイ・ジェロームだ。今日の活躍に驚きはない。これが彼で、自分に絶大な自信を持っている。彼の精神面の強さを本当に尊敬している」と語る。
自身の持ち味を存分に発揮できる環境を得たジェロームは、これからキャバリアーズがプレーオフで勝ち進み、頂点をつかむためにより重要な存在になってくる。ちなみにホークスからトレードで加入したディアンドレ・ハンターはバージニア大時代の仲間で、ジェロームが3年生、ハンターが2年生の2019年NCAAトーナメントで、ともに中心選手として優勝に導いた。かつての盟友と共闘することで、ジェロームはさらに伸び伸びとプレーできそうだ。