「大きなエナジーを与えるところで良い仕事ができた」
2月23日、バスケットボール男子日本代表は『アジアカップ2025予選Window3』でモンゴル代表と対戦。相手の粘りに苦しめられるが、残り4分から試合終了まで11-0のランとここ一番での勝負強さを発揮することで激闘を制した。
最終的に89-79と10点差こそついたが、試合の大半において日本はリードしていたものの、2ポゼッション差以内でずっと推移する厳しい展開だった。そんな中でも勝ちきれたのは、24得点17リバウンド3ブロックのアレックス・カーク、23得点8アシスト5リバウンド3スティールのテーブス海の活躍が大きかった。
そしてもう一人、特筆すべき活躍を見せたのが、この試合がA代表デビューとなったハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニアだ。持ち味のフィジカル、高い身体能力を生かしたディフェンスで、日本代表に流れをもたらした。
ハーパーは、18分40秒の出場で7得点3リバウンド3アシスト2ブロックを記録。さらにチームトップの得失点差+18という数字がその貢献度の高さを物語る。
試合後の記者会見で指揮官トム・ホーバスは、「私たちが必要としていたハーパーや金近廉など、若い選手たちがステップアップしれくれてうれしいです。中国戦で大敗した後、こうしてカムバックし、エナジー溢れるプレーで勝つことができました」と総括する。
指揮官とともに会見に出席したハーパーは、次のように試合を振り返る。「タフゲームでした。彼らのシュートは本当に素晴らしく、3ポイントシュート成功率52%はあまり見ない数字ですが、バスケットボールは連続得点をいかに挙げられるかです。そして僕たちはハングリーで、相手の攻撃を止めた後にランを生み出せました」
「試合に出たらただ勝ちたいだけでした」
ハーパーは、強化合宿前のデベロップメントキャンプで評価を高めることで、もともとは招集されていなかった合宿に育成強化選手として参加した。この経緯を考えれば、今回チームに帯同しただけでも大きな前進だ。しかし、ハーパー本人は貪欲にプレーする機会を欲していた。
「中国戦は出場できずに試合を見ているだけでした。だからハングリーな気持ちで、コーチに『準備はできています』と伝えていました。そうしたら、『もちろん準備をしていないといけない』と言われました(笑)」
そして待望の代表デビューについても、「試合に出たらただ勝ちたいだけでした。代表デビューのことは全く考えず、勝利だけを目指してハングリーにプレーしました。僕のスタイルはディフェンスです。チームに大きなエナジーを与えるところで良い仕事ができたと思います」と、試合に勝つことしか頭になかったと明かす。
上々の代表デビューとなったハーパーだが、「今日は良いプレーができましたが、もっと良くできると思います」と満足はしていない。「第1クォーターの最後のポゼッションで酷いターンオーバーをしてしまいました。クォーターの最後で良い終わり方をしたかったのですが、それができなかったです。ポイントガードとしてコート全体をもっと良く見て、テーブス海選手みたいに得点だけでなくパスをさばけるプレーをしたいです」
この会見でハーパーは何度も「ハングリー」という言葉を使った。この常に上を目指す姿勢こそが、彼の大きな魅力だ。身長は181cmだがウイングスパンは190cm以上と国際舞台でもサイズは申し分ない。また、過酷なアウェーの舞台でも物怖じしないメンタルの強さも証明した。ハーパーの躍進は、今回のWindowにおける最も大きな収穫となった。
#AkatsukiJapan 男子日本代表
試合後に1枚📸#テーブス海 キャプテンと初出場の #ハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア 選手!
アウェー2連戦たくさんの応援ありがとうございました!FIBAアジアカップ2025は8月にサウジアラビアで開催されます🏀#AsiaCup #日本一丸 #バスケで日本を元気に pic.twitter.com/lCpzpDmq6v
— バスケットボール日本代表 (@JAPAN_JBA) February 23, 2025