ブランドン・イングラム

大型契約と金額で期待を示す

ラプターズが先日ペリカンズからトレードで獲得したブランドン・イングラムと、3年総額12000万ドル(約185億円)の契約延長で合意したことがわかった。27歳のイングラムは今シーズンが現行の契約最終年だった。また、新契約の最終年となる2027-28シーズンはプレーヤーオプションとなっている。

イングラムは2016-17シーズンにレイカーズでプロ生活のスタートを切り、2019-20シーズン開幕前、アンソニー・デイビスを中心とした大型トレードでペリカンズに加入。移籍初年度に平均25.3得点、6.5リバウンド、4.4アシストを挙げMIP賞を受賞する活躍を見せた。

その後も中心選手として奮闘していたイングラムだったが、故障が多く、首脳陣が望むようなパフォーマンスを披露できなかった。その結果ペリカンズとの契約延長交渉は進まず、開幕前からトレードによる放出は既定路線と見られていた。

イングラムはペリカンズ加入後、65試合以上の出場は一度もなく、今シーズンもここまで18試合出場のみ。稼働率の低さが大きな懸念材料だったが、ラプターズは3年の大型契約と金額で彼に対する期待をしっかりと示した。

これでラプターズは、スコッティ・バーンズ、RJ・バレット、イングラムのビッグスリーを中心にチームを作っていくことになる。

201cmのバーンズ、203cmのイングラムは、ともにハンドリング、アシスト能力に優れたオールラウンダーのフォワードで、ガードからビッグマンまで複数のポジションを守れるディフェンス力も共通している。また、198cmのバレットも今シーズンここまで平均21.6得点、6.6リバウンドに加え、キャリアハイとなる5.7アシストを記録中。ラプターズ加入後はハンドラーを担う機会が増え、アシスト数が増えている。

このようにラプターズの要となるウイングトリオは、全員が多彩なスキルを持っている。ただ、3人揃って3ポイントシュートが物足りないという課題も共通している。また、ここ数年のパフォーマンスから見て、イングラムの1年平均4000万ドル(約60億円)というサラリーは割高であり、フィットしなかったとしてもトレードで放出できる可能性は低い。

コアメンバーのタイプが似ているという尖った編成から、ラプターズがどんなチームを作りあげていくのか注目だ。