JJ・レディック

寒波に見舞われたアトランタでもホークスの試合が中止

現地1月11日にロサンゼルスで開催されるはずだったレイカーズvsスパーズ、クリッパーズvsホーネッツの2試合は延期された。ロサンゼルスとその周辺では7日に起きた火災が拡大し、今も大きな被害をもたらしている。冬のロサンゼルスは本来なら雨が多いはずが、今年はなかなか気温が下がらず降水量も例年に比べて極端に少ない異常気象だった。そして季節外れの強風の中で起きた火事は、過去最大級の被害をもたらしている。

レイカーズは現地9日に続いて2試合連続での中止となった。レイカーズで最も大きな被害を受けているのはヘッドコーチのJJ・レディックだ。今シーズンからレイカーズの指揮を執るレディックは、高級住宅街の貸物件に家族とともに住みながら定住する家を探していた。今回はこの賃貸していた自宅が焼失。レディックと妻、2人の息子は避難して無事だったが、レディックは「現役時代の思い出、家族の思い出がすべてなくなってしまった」と語る。

「息子が描いた絵が階段のところに飾ってあった。ささやかだが私たち家族にとっては大事なもので、そういったものすべてを失った。自宅のある地域を自動車で見て回ってきたが、すべてが破壊し尽され、完全に荒廃していた。私は自動車を止めて叫び、泣いたよ。あの現実を目の当たりにして冷静でいることはできなかった」

それでもレディックは気丈にも「私や家族を気の毒に思う必要はない。私の家族は無事だが、この火災で生活が立ち行かなくなった人々が大勢いる。そんな人たちのために何ができるかを考えたい」と語る。「レイカーズとして人々に希望を与えたい。気晴らしという言葉は適切ではないかもしれないが、キツい現実から少しでも解放する意味で、何かできることがあるのではないかと考えている。この状況にあって人々を助けることは、我々全員の責任だ」

また、クリッパーズのカワイ・レナードも自宅のある地域に避難命令が出されたことで、家族をサポートするために一時的にチームを離れるなど、騒ぎは続いた。

現地11日時点で火事は収まっておらず、強風はまだ続く見込みで被害がさらに拡大する恐れもある。死者はこれまで16名だが、行方不明者は多く、捜索活動はこれから本格化する。レイカーズのクリプト・アリーナ、クリッパーズのイントゥイット・ドームは被害を免れているが、試合を行えば警察や消防のリソースを使うことになる。NBAはこれを避ける意味でも試合中止の判断を下した。

火事とは別に、猛烈な寒波に襲われているアトランタではホークスvsロケッツが延期された。こちらは道路の凍結、また積雪によって倒れた木が電線を切り、広範囲に渡る停電が起きていることからの措置となった。