ステフィン・カリー

チームは失速するも「もう少し見守っていてほしい」

現地12月19日、ウォリアーズはトレードで獲得したばかりのデニス・シュルーダーを先発起用し、ステフィン・カリーとバックコート・コンビを組ませた。4日前のマーベリックス戦では守備が崩壊して143失点を喫していたために、ジョナサン・クミンガをベンチに回してドレイモンド・グリーンとケボン・ルーニーをインサイドに並べてテコ入れを図った。

そのすべてが全く機能しなかった。第1クォーターに15-37と圧倒され、その後も巻き返せず、ただただグリズリーズに48分間やりたい放題されて93-144で敗れた。

シュルーダーは22分の出場でフィールドゴール12本中成功わずか2本の5得点、5アシストを記録したがターンオーバーは4つ。ウォリアーズの完成されたチームバスケにデビュー戦でフィットするのは到底無理な話で、大敗の責任を彼に問うことはできない。ここで分かったのは、シュルーダーほどのタレントであっても、その個性をチームバスケットに組み込むプロセスを踏まずして機能する『特効薬』ではないということだ。

そしてカリーはフィールドゴール7本中成功なし、フリースローによる2得点のみに終わった。彼がフィールドゴールを1本も決めなかったのは2018年以来6年ぶり、通算7回目。過去6回はプレータイムが11分に満たなかったが、この日は24分出場にもかかわらずシュートを決められなかった。

「こんなことはキャリアの中でも初めてだ。こうなるとは思ってもみなかった。試合序盤から相手にいいようにやられて、僕たちにはやり返す術がなかった」とカリーは語る。

昨シーズン、3月のセルティックス戦の52点差(88-140)に続く51点差での大敗だが、「あれもひどい試合だったけど、チームの雰囲気はあの時よりずっと良くなっている」と言う。

「僕らは今日の試合で見せたよりもずっと良いチームだ。でも、今日それを言ってもあまり意味はない。実際に見せなきゃいけないからね。でも、自分たちにはそれが可能だと感じている。できることはまだまだあるからパニックにはならないよ。もう少し見守っていてほしい」

ウォリアーズは開幕から12勝3敗と好スタートを切ったが、その後は2勝9敗と失速。指揮官スティーブ・カーはカリーと同様にここからの改善を誓う。「立ち直ることはできる。その心配はしていない。しかし、プレッシャーの中で自分たちのプレーを遂行し、ターンオーバーすることなく良いシュートチャンスを作り出すためには、多くの改善が必要となる」

シュルーダーが本当の意味でウォリアーズのバスケにフィットするには時間が必要で、だからこそフロントは来年2月のトレードデッドラインよりずっと早くにトレードに踏み切ったと言える。カリーにしても、初めてプレーするシュルーダーに合わせようとすることでリズムをつかみづらかったのも事実だろう。今は我慢の時期──。カリーとシュルーダー、経験ある2人ができる限り早くケミストリーを築くことが期待される。