緩みを見せない千葉、前年王者のA東京に連勝
千葉ジェッツとアルバルク東京の第2戦。富樫勇樹とマイケル・パーカーを軸に堅守速攻のスタイルを体現した千葉が87-76で勝利し、今シーズンの勝利数を歴代最多記録となる50に伸ばすとともに、レギュラーシーズン2試合を残して激戦の東地区での優勝を決めた。
立ち上がり、千葉に勢いを与えたのはパーカーの超アグレッシブなプレーだった。合わせのパスを呼び込む得意のパターンだけでなく、味方のシュートが落ちるところを詰めて押し込み、さらには3ポイントシュート2本も決めて第1クォーターから12得点を荒稼ぎ。ここから富樫も快調に得点を重ねて、第1クォーターで24-15とリードした千葉が先手を取る。
後半になっても両チームともエナジー全開、球際の激しさはチャンピオンシップの試合かと思わせるような強度を維持する。そんな中で千葉はディフェンスから再び流れを呼び込む。A東京の仕掛けに対してズレを作らせず、苦し紛れのパスを引っ掛けては速攻に持ち込む。単独で走るファストブレイクにはならないにしても、シュートレンジまで運ぶのが速く、A東京のディフェンスを後手に回らせた。
素早いパスワークでA東京ディフェンスを崩してアキ・チェンバースの右コーナースリー、ポストに入れようとしたパスを突ついた富樫のワンマン速攻が飛び出す。第4クォーターの立ち上がり、富樫がベンチで休んでいる間にA東京が点差を詰めたが、富樫がコートに戻ると、すぐさま石井講祐の3ポイントシュートをアシストし、自らも3ポイントシュートを決めて、オフェンスを再び活性化させる。
「声を掛け合うことが増えて、結果に繋がっている」
A東京もジョシュ・ダンカンにパワーで押し勝つミルコ・ビエリツァのゴール下を軸に反撃するものの、千葉はそれ以上のペースで得点を重ねて主導権を譲らない。10点前後の点差で推移した終盤、A東京のプレッシャーに対しても千葉は緩みを見せない。石井は「40分間メンタルを保つことを自分の中では課題にしていたので」と、勝負どころでの自身のパフォーマンスを評価するとともに、チームの姿勢もこう称えた。
「ボールがデッドになった時など、何かあれば声を掛け合ってハドルを組んで。マイク(パーカー)のアンスポの時も、自分たちで集中を切らさないようにと。そうやって声を掛け合うことが今シーズンは増えていて、それが結果に繋がっていると感じます」
石井がそう語るように、最後まで緩みを見せなかった千葉。残り5秒のエドワーズの豪快ダンクで決着。勝利とともに東地区優勝を決定させた。
試合終盤のアンスポーツマンライクファウルが余計だったが、パーカーは18得点9リバウンド4スティールと幅広い活躍。大野篤史ヘッドコーチも「オフェンスリバウンドにプットバック、あれがなければ厳しい試合になっていた」と勝負どころを見極めた仕事人の働きを評価する。
千葉を率いて激戦の東地区優勝を義務づけられるプレッシャーは大きいに違いないが、指揮官は「最初はアーリーオフェンスもままならず、十分な準備ができず不安だらけで開幕を迎えましたが、それでも1年目2年目のベースに一つずつ積み重ねてやってこれました」と、積み重ねた50勝を振り返る。
ただ、地区優勝はあくまで通過点。見据えるのはチャンピオンシップを勝ち抜いてのBリーグ制覇だ。「調子が良いかどうかは分かりませんが、チームとしてクオリティは上がっていると感じています」と、常に控え目な大野ヘッドコーチが自信を語る。5月11日のファイナルまで、激闘は続く。
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