偉大な父との比較「特に中学、高校1年生の時の葛藤はすごかった」

NBA史上に残るスーパースターの1人であるカーメロ・アンソニーを父に持つ、キヤン・アンソニーがシラキュース大への進学を表明した。

196cmのシューティングガードであるキヤンは、バスケットボール、アメリカンフットボールの有望高校生を紹介する『247 SPORTS』において、来年秋の大学入学組では全体34位、シューティングガード部門では6位。『ESPN』では全体36位、同ポジションでは9位にランクづけされている。

父のカーメロがシラキュース大に在籍したのは2002-03シーズンのみだが、彼は1年生として35試合出場で平均22.2得点、10.0リバウンドと活躍。エースとしてチームを、この年のNCAAトーナメント優勝に導いた。全米屈指の伝統を誇るシラキュース大だが、全米王者はこの時だけでありカーメロはレジェンドとして今も引き続きファンから愛されている。過去3シーズン連続でNCAAトーナメント進出を逃しているシラキュース大にとって、キヤンの加入は純粋な戦力アップに加え、待望のスター選手獲得として大きな意味を持つ。

上記のようにキヤンも高い評価を受けているが、高校時代から世代随一の逸材と評価されたカーメロと比べると現時点で見劣りしてしまうのは否めない。『ESPN』の取材に、キヤンは「特に中学、高校1年生の時の葛藤はすごかった」と、偉大な父との比較に苦しんだと明かす。

だが、これを乗り越え父の助言に耳を傾けてきた。「当時、自分が何をするべきかわかっていなかったけど、父の言うことを聞くようになった。彼の言葉を信じ、自分のルーティーンを確立することで、自分らしさを持つ選手へと変わり始めていったんだ」

そしてキヤンは、父と自分は違うタイプの選手と続ける。「僕と父の最大の違いだけど、父は真っ向勝負で相手を叩きのめし、自分の思い通りに得点を取れる。僕も得点能力はあるけど、他の選手のチャンスを作り出すことができる。ドリブルをしすぎないようにして、オフボールでもっと良いディフェンダーにならないといけないし、効率をもっと高めていく必要がある」

ちなみに来秋には、同じく元NBAのスター選手カルロス・ブーザーの双子の息子キャメロン、ジェイデンが、デューク大に進学することが大きな注目を集めている。デューク大とシラキュース大は同じACCカンファレンスであり、彼らの対決はスポットライトを浴びること間違いなしだ。