宇都宮ブレックス

ブラスウェルHC「いつもよりディフェンスのスイッチが入るタイミングが早かった」

7連勝中の宇都宮ブレックス(7勝2敗)がホームで島根スサノオマジック(8勝1敗)を迎え撃った。

宇都宮は形は作れど外のシュートが決まらずに波に乗れないが、持ち味の堅守で7ターンオーバーを誘発して主導権を渡さない。ロースコアゲームに持ち込むと、ラストポゼッションで比江島慎がステップバックスリーを射抜き、15-12で第1クォーターを終える。

第2クォーターに入ると、ゾーンにした島根に対し高島紳司が急所のコーナースリーをしっかり沈めたが、着地で足を痛めてベンチへ下がることに。その後、ミスマッチを突かれてジェームズ・マイケル・マカドゥにゴール下を決められ、安藤誓哉にもバスケット・カウントを許し点差を詰められてしまう。それでも、1対1で簡単に抜かれず、ヘルプマンが常に目を光らせることでタフショットを打たせ続け、平均20.0得点のコティ・クラークを無失点に抑えたように、堅いディフェンスを継続した。攻めては、グラント・ジェレットが2本の3ポイントシュートを含む8得点を残り1分10秒の間に固めたことで、39-28とリードを2桁に乗せて前半を終えた。

津山尚大に3ポイントシュートを許し先制されるが、ジェレットが強気に決め返し、さらに比江島のキックアウトから遠藤祐亮も長距離砲を射抜く。クラークに初得点をねじ込まれるも、竹内公輔が自身のオフェンスリバウンドから3点プレーとなるバスケット・カウントをもぎ取るなど流れを渡さなかった。しかし、ディフェンスを完璧に崩すもノーマークの3ポイントシュートを決め切れないことが多々あり、53-44と点差を離し切れなかった。

最終クォーターも10点前後の点差で試合は推移し、残り5分半には安藤のキックアウトから納見悠仁にコーナースリーを許した。トランジションから完璧に崩されたことでターニングポイントになってもおかしくはなかったが、その直後、竹内が値千金の3ポイントシュートを決め返した。このように要所を締め、最後まで主導権を渡さなかった宇都宮が72-58の快勝を収めた。

島根のポール・へナレヘッドコーチは前半だけで10ターンオーバーを喫し、そこから11失点したことなどを含め「非常にがっかりする内容だった」と語った。「宇都宮さんが後半にいくつかオープンシュートを落としていただけだと思っているので、 我々のディフェンスで良いところがあったとは思っていません。自分たちのスタンダードでバスケットボールができていなかったと思っています」

一方、勝利した宇都宮の指揮官、ケビン・ブラスウェルはスコアが示すように、ディフェンスでの勝利を強調した。「フィジカルに激しいプレッシャーをかけたディフェンスをしていこうと話をしました。ここ6試合くらい、ディフェンスの強度も上がってきて、良いディフェンスができていると思います。いつもよりディフェンスのスイッチが入るタイミングが早く、ディフェンスで素晴らしいパフォーマンスができた試合でした」

連勝を伸ばした宇都宮は8勝2敗で首位千葉ジェッツの背中をぴったりとマーク。敗れたものの、島根も8勝2敗で西地区首位をキープしている。