ルカ・ドンチッチ

ドンチッチ「なぜあれが決まるのか僕にも分からない」

ティンバーウルブズにとってマーベリックスは、昨シーズンのプレーオフで敗れた相手。その悔しい記憶がまだ新しいことが、プレーオフのような興奮と緊張感を試合にもたらしたが、同時に気合いの入りすぎ、空回りに繋がった。

ウルブズの選手たちいは激しくディフェンスし、効率良く得点を奪ったが、それ以外のディティールの多くが粗くなった。オフェンスリバウンドを簡単に許してセカンドチャンスポイントを23点も与え、ファストブレイクでも20得点を奪われた。

「あまりにも簡単にリバウンドを取られた。まるで間抜けだ」とアンソニー・エドワーズは言う。彼は37得点でオフェンスを牽引したが、そこに満足感は全くなかった。「もっとフィジカルにプレーし、もっとタフに戦わなければ勝てない。トランジションのディフェンスとリバウンドさえしっかりすれば良かった。みんなでトランジションに戻り、僕がリバウンドを奪えば問題はないはずなんだ」

109-114で迎えた残り1分でのプレーは、ウルブズファンにとって悪夢の再現となった。ルカ・ドンチッチを相手に激しいプレッシャーを掛け、3ポイントラインにも近寄らせないままショットクロックはわずかとなり、ウルブズ守備陣が上回ったかと思われたが、ドンチッチは軽くステップバックしてディープスリーを沈めた。半年前のカンファレンスファイナル第2戦の終盤に食らった『ルカ・マジック』とほぼ同じシュートが、またしてもウルブズを敗戦に追いやった。

ドンチッチは24得点8リバウンド8アシストを記録。第2クォーター終盤に背後からの接触を受けて膝を痛め、周囲をヒヤリとさせたが、幸いにもプレーに支障はなく、後半には問題なくプレーした。

勝利を決める『ルカ・マジック』の一発を「もっと簡単なシュートは外れるのに、なぜあれが決まるのかは僕にも分からない」とご機嫌で解説。「僕はプレシーズンをフルでプレーできなかったから、感覚を取り戻すにはもう少し時間がかかる。でも、チームが勝つのが何より大事だから、これで良いよ」と語った。

バック・トゥ・バック(2日連続の試合)の2日目で、難敵ウルブズが相手。ドンチッチだけでなくダニエル・ギャフォードも激しい接触を受けて一度はベンチに退くなど、開幕したばかりのこの時期には厳しすぎる強度の高い試合ではあったが、マブスは一歩も引かずに戦い、勝利を手にした。「会場の雰囲気は素晴らしかったし、そこで勝てたのは気分が良いよ」とドンチッチは言う。「チームはまだ最高のレベルに全然届いていないけど、僕らはお互いを信頼し、助け合っている。それはかなり良い感じだと思う」

ドンチッチはまだ様子を探りながらプレーしているが、その分はカイリー・アービングが開幕からアクセル全開で結果を出している。「ルカだってすべての試合で絶好調とはいかない。そんな時のためにチームがある」と言うカイリーは、このウルブズ戦では35得点5アシストを記録した。

「勝利はいつだって良いものだ」とカイリーは言う。「でも、負けた時も勝った時と同じようにチームでコミュニケーションを取っていきたい。今日みたいな試合は、僕たちがまだ長い道のりの途中だと教えてくれる。ケミストリーを高めることが、僕らにとっては最も重要なんだ」