「ホグさんに対してもっと1オン1で有利に立てればまた違う展開になっていました」
京都ハンナリーズは10月19日、20日とアウェーで千葉ジェッツと対戦した。初戦は一時19点の大量リードを奪われるも、第4クォーター残り4分半で2点差にまで詰め寄ったが、最後まで勢いを継続することができず84-92で敗北。2試合目は第2クォーター序盤に17点の大量リードを奪ったが、後半で15点しか挙げられず、57-68と逆転負けを喫した。優勝候補の高い壁を乗り越えることはできなかった。
京都の攻撃の起点を担う岡田侑大は、初戦で17得点7アシスト、2試合目も18得点3アシストと活躍。だが、2試合目は第1クォーターで13得点を挙げながら以降は失速してしまった。2試合目の終了後、岡田は「本当に勝てる試合を落としてしまったと思います。千葉さんが後半、自分に対してアジャストしてきたところで、チームとしても停滞してしまった感じでした」と振り返った。
大きな敗因が、15点しか挙げられなかった後半のオフェンスだったことは間違いない。岡田も後半に入ってディー・ジェイ・ホグを自身のマークにつけた千葉Jの作戦に苦しんだ。207cmのサイズに加え、リーチの長さと機動力を備えたホグの密着マークについて岡田は「タフでした」と率直に明かした。
ホグが岡田の守備についたということは、京都にとって高さで有利なマッチアップが生まれたことを意味する。岡田はチームとしてそこをうまく生かせなかったことより、自身にベクトルを向けた。「自分がホグさんに対してもっと1オン1で有利に立てれば、また違う展開になっていました。それができないと日本代表にも入れないです。Bリーグには優れた外国籍の選手がたくさんいるので、果敢にアタックしていきたいなと思います」
また、岡田は勝てる試合を落としてしまった理由として、「第1クォーターを10点リードで終えたことに、どこか満足してしまっていたところがありました」と反省する。
「もっと離せる状況で、しっかりと千葉さんを叩くことができませんでした。タレント力では千葉さんのほうが上なので、ギアが入った時に正面からぶつかったら負けてしまいます。こちらが勢いに乗っている時に点差をできるだけつけることが大事です」
悔いの残る連敗となった京都だが、それでも第2節にホームで群馬クレインサンダーズに連勝するなど、今シーズンはここまで3勝3敗。スタートで大きく出遅れてしまった昨シーズンとは大きな違いを見せており、古川孝敏、川嶋勇人、ジョーダン・ヒースなどBリーグでの実績十分なベテラン獲得によるチーム力強化を披露している。
外国籍とのマッチアップは「リスペクトを感じますし、楽しいところはあります」
岡田もチームの進化に手応えを感じているが、そこに満足してはいけないと話す。「今日の前半と、昨日の第3クォーター以外は手応えを感じていますし、去年だったら絶対ここまで来るのはあり得なかったレベルでした。ただ、チャンピオンシップに行くために今のままでいいのかと言われるとそうではないです。今よりもっと上を目指していけるチームだと思います」
また、岡田個人は6試合消化時点で平均15.7得点と見事なスタートを切っている。「(オフに)ウェイトトレーニングをしっかりしたことで、フィジカルが増してドライブもできるようになりました」と手応えを語った一方で「3ポイントシュートの精度が上がってこなくて今、25%です。今日も6本中1本成功でした。フリーで打てるチャンスは少ないですけど、相手のマークを振り切って打つ時にしっかりと決めないといけないです」と課題についても触れた。
今回の千葉J戦に限らず、京都と対戦するチームは岡田にサイズ、フィジカルに優れた外国籍選手をつけることも少なくない。当然タフな状況であるが、岡田は1人の選手としてやり甲斐を感じている。「なんというかリスペクトを感じますし、楽しいところはあります。佐賀戦は(レイナルド)ガルシア選手、群馬戦は(トレイ)ジョーンズ選手とのマッチアップもあり、チームオフェンスを壊してはいけないですが、楽しむことはできていたのかなと」
そして、再びホグと対戦する機会がめぐってきたら、今度はやり返したいと意気込む。「2メートルを超える選手にどうやってアタックするか。河村(勇輝)選手のように日本人ガードでもできる選手はいます。自分も次のステップでそれをできるようにしていきたいです」
京都の攻撃の起点は間違いなく岡田であり、今後もサイズのある外国籍フォワードが彼のマークにつく状況は続いていくはずだ。だが、岡田はその激しいプレッシャーに屈しないタフさを備えている。
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