攻守ともに高いパフォーマンスでリーグ1位の川崎を撃破
西地区首位のシーホース三河と中地区首位の川崎ブレイブサンダースの頂上決戦。接戦が予想されたが終わってみれば27点差という三河の圧勝となった。
昨年の旧NBLファイナルで三河は2連勝後に3連敗を喫して、川崎の前に涙を飲んだ。昨日の第1戦で15得点5アシスト2スティールを記録し勝利に貢献した比江島はディフェンスを勝因に挙げた。「僕らのシュートが入ったのもありますが、ディフェンスが機能して僕らのペースでいったことが良かったです。オフェンスも良かったですが、ディフェンスが良かったと僕は思ってます」
そう語るように平均84.5得点でリーグ1位の攻撃力を誇る川崎を65点に封じた。それは『川崎の完成度の高さ』を逆手にとって生まれたスコアだった。「川崎は完成してるチームなので動きが決まっている。逆に言うと分かりやすいとも言えて、そこはしっかり狙ってヘルプに入りました。そういう練習もしてきたのでうまくいったと思います」
その結果、得点王を独走するニック・ファジーカスを今シーズン最少得点となる17点に抑えこんでいる。
「みんなが攻め気を持って、ボールを持ったら打つという強い意思を持っていたのが良い方向に繋がった」というように5人が2桁得点を記録するなど、まんべんなく得点を挙げ一人に依存しないバランスの良いオフェンスを展開した。
昨日の比江島は強引なプレーを選択せず、効率の良いプレーで攻守に存在感を見せた。本人も「シュートタッチも身体の状態もここ最近で一番良かった」と話した。
辻先輩とのマッチアップ「楽しいですけどシューターは苦手」
昨日の試合では洛南高校と青山学院大学の先輩である辻直人とのマッチアップが注目を集めた。「去年のファイナルではボコボコにやられたので」と比江島が振り返る。比江島も十分に活躍したものの、勝負どころで大仕事をしたのはことごとく辻だった。その辻は川崎にタイトルをもたらすとともに、ファイナルMVPを受賞している。
そんな偉大な先輩とのマッチアップについては「去年の悔しい負けがあったから気持ちが入った」と明かす。
特に辻をディフェンスする比江島は楽しそうにプレーしているように見えた。辻との対戦の感想を聞くと「楽しいですけど、シューターは苦手なので頑張ってつきました」という言葉が返ってきた。
やはり辻とのマッチアップには特別な感情が芽生えますか? と尋ねると「なくはないですけど、ないです」と比江島節が炸裂した。
三河は昨日の勝利でチャンピオンシップ出場のマジックを6に減らしたが、この状況でも特に気負いはないようだ。「1試合1試合大事に戦うという気持ちだけです。負けるにしても価値のある負け方をしないといけないと思ってますし、大事に戦うだけです」
昨年のファイナルの悪夢を払拭するためにも、本日行われる第2戦が重要な意味を持つことは言うまでもない。試合の勝敗だけでなく、辻との先輩・後輩対決第2ラウンドにも注目したい。
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