「どんなスタイル、どんな選手とでもプレーできる」
セブンティシクサーズはリーグ随一のビッグマンであるジョエル・エンビードを軸に7シーズン連続でプレーオフ出場中と強豪の地位を確立している。だが、この7年間で一度もカンファレンスセミファイナルの壁を突破したことがなく、ここ1番での勝負弱さを露呈している。
この大きな壁を乗り越える切り札として、今オフに獲得したのがポール・ジョージだ。9度のオールスター選出を誇る34歳のベテランは、ビッグマンのエンビード、ガードのタイリース・マクシーという生え抜きのスター選手とポジションも被らない。セブンティシクサーズにとって、まさに足りない部分を補うこれ以上ない補強となった。
メディア・デイでの会見で、ジョージは「みんな同じ方向を向いていて、本物の仲の良さがある。このチームに来て最初の印象は、今年は楽しい1年となるだろうということだね」と雰囲気の良さを語る。そして、エンビード、マクシーとの『ビッグ3』について、「僕はエリートのポイントガード、ビッグマンと同時にプレーするのは初めてとなる」と語り、お互いを補完し合うことができると自信を見せる。
「僕たちはそれぞれ負担を軽減できる。誰か1人が全てを背負うことはないし、3人とも試合の中で、それぞれの持ち味を出せる。ジョエルはペイントとペリメーターで支配的だ。タイリースは、トランジションで素晴らしいし、ハーフコートオフェンスではスペースを動き回っていく。僕はビッグマンと一緒にプレーできるし、トランジションでもタイリースと一緒にプレーできる」
一般的に複数のスター選手の共存は簡単でないと見られている。だからこそ、ジョージにも会見でこの件について質問が来た。だが、昨シーズンまで在籍したクリッパーズでは、「ラス(ラッセル・ウェストブルック)、カワイ(レナード)はともにエゴがなく、他のスター選手を受け入れチームバスケットをしていた」と、共存に悩むことはなかったと明かす。
だからこそ、セブンティシクサーズでもエンビード、マクシーとのケミストリーは問題ないと言う。「ここに来てジョエル、タイリースと会話をしたけど、僕たちはみんな互いに自分らしくいてほしいと思っている。これこそ共存がうまくいくための唯一の方法だ。NBAの最初の数シーズンを除いて、僕にエゴはない。どんなスタイル、どんな選手とでもプレーできる。そこにプライドを持っているんだ」
そしてチームの戦力について「僕たちは本当にいいと思う。リーグ屈指で、イースタンでトップ3に入り、チャンピオンシップを争うことができる」と語る。このジョージが望む展開に持っていくためにも、まずはエンビード、マクシーとの『ビッグ3』を機能させることが何よりも大切だ。